山行記録2009/6 皇海山 (すかいさん)
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【日程】 2009年6月27日(土)
【天気】 晴
【メンバー】 単独
【概要】 「皇海橋−不動沢のコル−皇海山−不動沢のコル−鋸山−不動沢のコル−皇海橋」
標高2,143.6m、歩行距離7.6km、標高差792m、累積標高差+963m−963m
鋸山から見た皇海山
【場所】
群馬県と栃木県境の足尾山塊の代表が皇海山。
以前登った日光白根山(奥白根山)のすぐ南にあり、男体山や武尊山も近い。
周囲は山深く、幹線道も通っていないので、アプローチは容易ではない。
【ルート】
ガイドブックに載っていた不動沢ルート。
これは近年一般に解放された栗原川林道を利用することにより、群馬県側から比較的手軽に日帰りで皇海山・鋸山に登ることができるルートである。
深田さんの時代は、栃木県側から登る、歴史のある庚申参り登山の一泊二日の長大なルートしかなかったであろう。
銀山平から、庚申山と鋸山十一峰と呼ばれる難所を経由して、ようやく皇海山にたどり着くことができたわけだ。
(地図の右下が銀山平)
今回は、十一峰の最後の鋸山に、危険が多い十峰を経由しないで登ることができるルートである点が、メリットといえよう。
ちなみに、栃木県ルートは上級者向け、群馬県ルートは中級者向けとなっていた。
地図の鋸山の東に続く道が、鋸山十一峰である。
今回のルートを拡大した地図を載せておく。
※この地図は、国土地理院測量結果「数値地図12500(地図画像・・・Web閲覧サービス゛「ウォッちず12500」)」「数値地図50mメッシュ(標高)」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
以下、本文中に掲載のカシバード画像も同様。休憩地点は、山頂と不動沢のコル、白四角の地点(登り下りで場所が違う)。
【所要時間】
場所 |
皇海橋 |
休憩 |
不動沢のコル |
皇海山 |
不動沢のコル |
鋸山 |
不動沢のコル |
休憩 |
皇海橋 |
計 |
標高(m) |
1,352 |
1,691 |
1,865 |
2,144 |
1,865 |
1,998 |
1,865 |
1,649 |
1,352 |
792 |
区間距離(km) |
1.7 |
0.5 |
0.8 |
0.8 |
0.8 |
0.8 |
0.6 |
1.6 |
7.6 |
|
累計距離(km) |
1.7 |
2.2 |
3.0 |
3.9 |
4.6 |
5.4 |
6.0 |
7.6 |
||
着時刻 |
7:00 |
8:17 |
8:50 |
9:36 |
10:44 |
11:21 |
12:09 |
12:40 |
13:20 |
5:54 |
発時刻 |
7:26 |
8:22 |
8:56 |
10:15 |
10:44 |
11:33 |
12:14 |
12:45 |
13:40 |
|
区間タイム |
0:51 |
0:28 |
0:40 |
0:29 |
0:37 |
0:36 |
0:26 |
0:35 |
4:42 |
|
区間タイム小計 |
1:19 |
0:40 |
0:29 |
0:37 |
0:36 |
1:01 |
4:42 |
|||
所要時間累計 |
0:51 |
1:19 |
1:59 |
2:28 |
3:05 |
3:41 |
4:07 |
4:42 |
||
標準タイム |
2:10 |
1:00 |
0:40 |
0:40 |
0:30 |
1:40 |
6:40 |
|||
標準タイム累計 |
2:10 |
3:10 |
3:50 |
4:30 |
5:00 |
6:40 |
||||
歩行速度(km/h) |
2.0 |
1.1 |
1.2 |
1.7 |
1.3 |
1.3 |
1.4 |
2.7 |
1.6 |
・標準タイムはガイドブックのものを採用。(このタイムは結構遅め)
・前半はなだらかな沢登り(平坦なら早い)、源流部から急登で一気に不動沢のコルへ。
・皇海山までは部分的に急登がある。
・鋸山に向かう尾根はなだらかだが、山頂部は尖った山の形通り、急登の岩場だ。
・岩場の下りに手こずり、標準タイムをオーバーした。
・休憩は時刻を緑字で表記。大休止は太字。
【はじめに】
梅雨の真っ只中。
傘マークの天気予報が続く。
週末の天気も全く期待していなかったのであるが、金曜日になってみると予報が変わり、土曜日だけ晴れ間があるようだ。
例によって、念のため早めに帰宅した。
早速、以前から気になっていた日本百名山No.38皇海山方面の天気予報を確認すると、土曜日は終日晴れそうだ。
そして、日曜日には早くも崩れる予報だ。
貴重な梅雨時の週末の晴れである。
これは行くしかあるまい。
さて、気にはなっていたが、皇海山が後回しになっていたのには、理由がある。
前述の通り、アプローチに問題があるのだ。
日帰りとなると、群馬県からのアプローチとなる。
ここが、悪名高い未舗装の林道で、沼田市のHPによると、「切り岩の悪路で、車高の高い車が望まれる」とのこと。
生憎、我が家の車はミニバンである。
車高はむしろ低い方だ。
更に「落石等も常に考えられるので注意が必要。大雨が降ると通行止めになることもある。特に車の擦れ違いや路肩には注意しよう」
「栗原川林道は災害、道路工事等で通行止めになる場合がありますので、必ず通行が可能かお問い合わせください」との記載が、追い打ちをかける。
実際Webで山行記録をチェックしていると、途中で通行止めになっていて、崖崩れを歩いて乗り越えていった例もあるようだ。
これだけ脅されると、ヒビリンチョである。
最悪の場合、行ってみてダメだったら、諦めて近くにある武尊山に切り替えるオプションも想定したが、HPで確認する限りは、通行止めはなさそうだ。
初志貫徹とする。
今回は土曜日なので、4時前のIC通過にこだわる必要がない。
3時起きで計画した。
順調に準備を進め、日付が変わる頃には、就寝した。
【これより本題】
目覚ましが鳴ったかどうか定かでないが、3時頃次男に起こされた。
例によって、まだ起きていたらしい。
さっさと支度を整え、腹も減っていないので、すぐに出発。
今回は、ガソリンを満タンにしてあるし、水分も食糧も全て自宅から持ち出したから、買い出しもなしだ。
京葉道・首都高・関越道と順調に流れ、三芳SAで朝食(うどん)。
沼田ICで高速を降り、R120を尾瀬に向かう。
老神温泉を過ぎた辺りで、右折して橋を渡り、しばらく行くと、栗原川林道に辿り着く。
初めのうちは平坦な道も、次第に轍が深くなり、「切り岩」がゴツゴツした道に変わる。
タイヤがパンクするんじゃないかと思うほど、尖った石がゴロゴロしている。
調子に乗って走っていたら、2回車の腹をしこたま打ってしまった。
ガッキーンと金属音がこだましたほどだから、単に擦ったというレベルではなく、激突である。
やばい・・・大丈夫か?
スピードを落とさざるを得ないし、穴や轍、大きな落石を避けた慎重な運転を強いられる。
やばそうなところは、10km/Hしか出せない。
グリップはさほど悪くないのに、このスピードではストレスがたまる。
いい加減飽きて、集中力がなくなり(=慎重でなくなり)かけた頃、ようやく皇海橋(すかいばし)駐車場に到着した。
約1時間も悪路を走って、本当に疲れた。
史上最悪の道だった。
もう二度と走りたくない。
さて、こんな酷い所の割には、トイレは水洗できれいだった。
沢沿いなので、水はふんだんにあるようだ。
車は既に10台ほど駐まっている。
さすがは百名山。
早速準備を整え、ストレッチをして体をほぐしていく。
まずは皇海橋を渡る。
橋のすぐ向こうに、登山口があった。
写真に写っているのは、和歌山から来た夫婦。
老神温泉に前泊し、宿の送迎付のプランなのだそうだ。
これなら、林道も平チャラである。
なかなか良いビジネスをしている。
数百m進むと、最初の渡渉地点が現れる。
水量は多いが、石伝いに渡ることができる。
森の中を緩やかに登っていく。
前半はこんな感じだ。
沢に沿って登る。
渡渉を繰り返し、沢とつかず離れずといった按配だ。
中間地点を過ぎると、岩がゴロゴロしてくる。
休んでいる人がいたので、便乗して休憩をとる。
傾斜が緩やかなので、快調なペースだ。
森の中で日が当たらないということもあり、沢筋を通り抜ける風が心地よく涼しい。
天気予報が当たり、最高の天気である。
タバコが美味い。
分岐し、水量が少ない沢を、遡るようになる。
源流部付近で右に進路が変わり、ロープがかかった急登となる。
道が二つに分かれていて、左側の岩が多い沢筋から登る。
(帰りは右側の土の斜面を下った)
どんどん高度を上げていくと、土が流失したところもあり、歩きにくい。
不動沢のコルに到着。
ここで休憩。
鋸山十一峰が、その独特の姿を見せる。
(本当に11あるかどうかは数えなかったが)
なかなか良い感じだ。
右端の鋸山は尖っている。
ここからは尾根伝いに、皇海山を目指す。
平坦な部分もある。
高度を上げると、再び鋸山十一峰が見えてくる。
本当に鋸みたいだ。
以前登った赤城山も見える。
黒檜山・駒ヶ岳が赤城山だ。
山頂まで0.4kmの標識を過ぎると、急登となる。
皇海山(すかいさん)山頂2,144mに到着。
山頂部は眺望がなく、狭い。
山頂標識の他、渡良瀬川水源碑が建っていた。
天気がよすぎて暑いので、日蔭に陣取り大休止とする。
いつものように、カップ麺がまいう〜。
のんびりしたら、出発前に登頂証拠写真。
景色がよくないので、長居は無用だ。
木立の中に、庚申二柱大神と書かれた剣が建つ。
明治時代に奉納された青銅の剣らしい。
鎖場を下り、平坦になった所で、鋸山十一峰がよく見えた。
不動沢のコルまで下りてきた。ここからも鋸山十一峰がよく見える。
二度目の今回は通過し、鋸山に向かう。
はじめはなだらかだったが、鋸山山頂直下は急登っぽい。
岩を巻きながら登る。
右側は切れ落ちていて、高度感がある。
岩の上に出ると、視界が開けた。
皇海山の左に、うっすら見えているのは、百名山の一つ武尊山(ほたかやま)か?
以前登った谷川岳は霞んで見えない。登山口のある皇海橋が見えていたようだ。
皇海山の右には、以前登った奥白根山(日光白根山)。
先月登った男体山をはじめとする奥日光の山々もバッチリ。
近くで見ると、鋸山十一峰が、険しい。
鋸山山頂部が近づいてきた。
最後の急登に取りかかる。
この辺りは、木の根伝いに行ける。
途中から、岩登りの急登に変わる。
慎重に登っていく。
最後の岩場にはロープがかかっているが、イマイチ頼りない。
三点確保で慎重に。
鋸山(のこぎりやま)山頂1,998mに到着。
数名の方が休憩していた。
なかなか景色がよいではないか。
皇海山だけで帰らずによかった。
奥日光の山々を眺めてまったり。
もちろん皇海山はすぐ近くにどーん。
皇海山をバックに登頂証拠写真。
ベニサラサドウダン?が満開。(ストロボを焚いたら色調が変)
シャクナゲは花が終わっている株と、これからの株が混在。
咲いている株はなかった。
6/23の沼田市HPでは咲いていたのだが・・・。
下りの岩場は手こずった。
標準タイムよりだいぶオーバーして、とにかく安全優先。
どっと疲れが出て、不動沢のコルで再び休憩。
その先の急な下りも、登ってくる人待ち等で時間を費やした。
急降下が終わると、沢下りである。
水の中を下るが、傾斜は緩やかだし、岩が滑らないので、却って歩きやすい。
平坦な道になると、すぐに中間点である。
さほど疲れてもいなかったが、中間点でタバコ休憩をとる。
渓流に沿ってひたすら下るが、傾斜が緩い分、膝の負担は少ない。
快調に進む。
渡渉して軽く登り返すと、登山口は近い。
登山口に戻ると、こちら側にもたくさんの車が。
全部で20台位いたか?
皇海橋から、上流を見る。
皇海橋から、皇海山が見えていたようだ。
駐車場に到着。
なんとマイクロバスが駐まっている。
不動沢のコルにいた団体さんが乗ってきたものか?
狭い林道をこんなのがよく走るものだと感心する。
さぁ、ここから林道をまた走らねばならない。
往きに出会った和歌山の方に、「林道を戻るより、そのまま真っ直ぐ抜けた方が道が良い。距離は長いが時間は同じ位と宿の人が行っていた」との情報を得ていた。
ここは、素直に従うことにする。
実際、その通りで、平均速度は二倍以上出せたと思う。
部分的には三倍位、といっても30km/H位だが・・・は出せた。
いうことを聞いてみるものである。
最後に動物除けのゲートがあって、閉まっていたので、一瞬焦ったが、手で開けることができたので、事なきを得た。
一般の舗装道にでた時は、もう感動もの。
こんなに走りやすかったのか?って感じ。
さて、反対側に抜けてしまったので、老神温泉に行く予定が狂ってしまった。
山道を快調に沼田に向かっていると、途中に日帰り温泉施設があったので、早速寄り道。
南郷温泉「しゃくなげの湯」に浸かり、さっぱりした。
大して腹も減っていないので、蕎麦はパス。
眠くもないので、さっさと家路につくことにする。
沼田ICから関越に乗り、高坂SAで休憩。
所沢−大泉感で渋滞があったものの、その後は順調に流れた。
家の近くでガソリンを満タンにして、19:30には家にいた。
というわけで、今回の山行も無事終わった。
感謝!!
今回も、梅雨の合間の好天に恵まれ、楽しいハイキングができた。
前回と違い荷物が軽いものだから、歩きも快調。
筋肉痛はほとんどなかった。
やはり5kgは大きい。
【コスト】
用途 |
内容 |
費用 |
ガソリン |
39.21L(@116) 476.2km、12.1km/L |
4,549 |
有料道路 |
京葉道(武石−京葉口)往復 |
400 |
首都高(篠崎−美女木)ETC平日夜割 |
560 |
|
外環(美女木−大泉)ETC休日特別(22−6) |
250 |
|
関越道(大泉−沼田)ETC休日特別(22−6) |
1,600 |
|
関越道(沼田−大泉)ETC休日特別(6−22) |
1,850 |
|
外環道(大泉−美女木)ETC休日特別(6−22) |
350 |
|
首都高(美女木−篠崎)ETC平日昼割(オフピーク) |
630 |
|
食料 |
スポーツドリンクペットボトル×1(予め買ってあった) |
88 |
お茶ペットボトル×1(予め買ってあった) |
88 |
|
天然水ペットボトル×1 |
78 |
|
カップラーメン(予め買ってあった) |
119 |
|
朝食(三芳PA、うどん) |
480 |
|
ソフトクリーム(しゃくなげの湯) |
250 |
|
リンゴジュース(佐野SA) |
168 |
|
温泉 |
南郷温泉「しゃくなげの湯」 |
550 |
合計 |
12,010 |
さぁ、次はどこに行こうか。
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お終い。