山行記録2009/11 天狗岳 (てんぐだけ)
(Homeへ)
【日程】 2009年11月7日(土)
【天気】 快晴(^^)
【メンバー】 会社の同僚N.I
【概要】 「本沢温泉入り口−本沢温泉−夏沢峠−根石岳−東天狗岳−西天狗岳−東天狗岳−本沢温泉−本沢温泉入り口」
最高到達点標高2,646m、歩行距離16.4km、標高差1,042m、累積標高差+1,494m−1,494m
根石岳山頂より、東西天狗岳を望む
【場所】
夏沢峠を境に北八ヶ岳と南八ヶ岳に分けて語られることが多いそうな。
アルペンムード漂う南八ッに対し、穏やかな山容の北八ッと対照的であることによるとのこと。
北八ッは長野県に属する。
【ルート】
N.I提案のルート。
ガイドブックには、一泊二日で麦草峠から白駒池・高見石・中山経由で天狗岳を極め、黒百合ヒュッテ泊で、渋ノ湯に下るルートが載っていた。
これはこれで魅力的ではある。
また、Webの山行記録を見ると、日帰りで渋ノ湯からピストン、唐沢鉱泉からピストンのものが多かった。
これらは距離も短いし、単に天狗岳に登るということだけ考えれば(要はピークハント主体)、合理的ではある。
今回の目玉は、ピークハントだけでなく、秘湯・本沢温泉「雲上の湯」を絡めることにある。
まさに一石二鳥のルートなのである。
ちょっと距離が長いのが不安材料ではあるが、最悪本沢温泉に泊まる手もある。
何とかなるだろう。
※この地図は、国土地理院測量結果「数値地図12500(地図画像・・・Web閲覧サービス゛「ウォッちず12500」)」「数値地図50mメッシュ(標高)」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
以下、本文中に掲載のカシバード画像も同様。休憩地点は、本沢温泉・雲上の湯・夏沢峠・根石岳・西天狗岳・東天狗岳・本沢温泉だ。
【所要時間】
場所 |
駐車場 |
展望台 |
本沢 ゲート |
本沢 温泉 |
雲上の 湯 |
夏沢峠 |
箕冠山 |
根石岳 |
東 天狗岳 |
西 天狗岳 |
東 天狗岳 |
本沢 温泉 |
駐車場 |
計 |
標高(m) |
1,604 |
1,761 |
1,941 |
2,097 |
2,150 |
2,426 |
2,590 |
2,603 |
2,640 |
2,646 |
2,640 |
2,097 |
1,604 |
1,042 |
区間距離(km) |
1.4 |
1.0 |
2.8 |
0.3 |
1.2 |
1.1 |
0.3 |
0.7 |
0.4 |
0.4 |
1.8 |
5.2 |
16.6 |
|
累計距離(km) |
1.4 |
2.4 |
5.2 |
5.5 |
6.7 |
7.8 |
8.1 |
8.8 |
9.2 |
9.6 |
11.4 |
16.6 |
||
着時刻 |
5:45 |
6:39 |
6:54 |
8:01 |
8:20 |
10:23 |
11:20 |
11:33 |
12:44 |
12:59 |
13:30 |
14:41 |
16:26 |
10:09 |
発時刻 |
6:17 |
6:39 |
6:54 |
8:12 |
9:29 |
10:48 |
11:20 |
12:22 |
12:46 |
13:15 |
13:42 |
15:18 |
16:40 |
|
区間タイム |
0:22 |
0:15 |
1:07 |
0:08 |
0:54 |
0:32 |
0:13 |
0:22 |
0:13 |
0:15 |
0:59 |
1:08 |
6:28 |
|
区間タイム小計 |
0:37 |
1:07 |
- |
0:54 |
0:45 |
0:22 |
0:13 |
0:15 |
0:59 |
1:08 |
6:20 |
|||
所要時間累計 |
0:22 |
0:37 |
1:44 |
1:52 |
2:46 |
3:18 |
3:31 |
3:53 |
4:06 |
4:21 |
5:20 |
6:28 |
6:28 |
|
標準タイム |
0:40 |
1:30 |
- |
1:00 |
0:50 |
0:40 |
0:15 |
0:15 |
1:05 |
1:50 |
8:05 |
|||
標準タイム累計 |
0:40 |
2:10 |
- |
3:10 |
4:00 |
4:40 |
4:55 |
5:10 |
6:15 |
8:05 |
||||
歩行速度(km/h) |
3.8 |
3.9 |
2.5 |
2.6 |
1.4 |
2.0 |
1.6 |
1.8 |
1.9 |
1.7 |
1.9 |
4.6 |
2.6 |
・標準タイムはWeb(八ヶ岳アルペンナビ)に掲載されていた八ヶ岳ガイドマップのタイムを採用。
・本沢温泉までは、ハイキングコース。(展望台とゲートの位置は推定)
・雲上の湯区間については、標準タイム不明のため除外して比較。
・朝っぱらから雲上の湯で1時間以上マッタリしたのは想定外だった。(下山してからマッタリする予定だったが、貸切だったので予定変更)
・特に早かった区間を太字とした。
・帰りは、休憩も少なく、ガシガシ下った。
・休憩は時刻を緑字で表記。大休止は太字。
【はじめに】
秋も深まり、空気が澄んで視界が良い季節が到来した。
雪の季節を迎える前の一瞬の好機を狙って、雪山を眺められるところに行きたいところだ。
そこへN.Iから魅力的なプランの提示が。
早速飛びつくこととなった。
当初、八ヶ岳西側からの取り付きかと思っていたが、東の野辺山・清里側からだと言う。
よくよく話を聞くと、秘湯入浴付きのプランとのこと。
Webで調べてみると、これはなかなか良さそうだ。
一気に期待が盛り上がる。
というわけで、八ヶ岳の未踏峰である天狗岳・根石岳+秘湯温泉付きの半分グルリッププランと相成った。
天狗岳は、日本二百名山に名を連ねている名峰である。
前述した通り、一石二鳥のルートである。
早速地図の用意など、準備を整え、前日を迎えた。
今回も、金曜日に夜行で登山口まで移動し、車中泊後に登ることになる。
但し、登山口となる本沢温泉入り口は、駐車場があるのみで、トイレは期待できない。
近くの稲子湯(いなごゆ)にて車中泊とする。
稲子湯は八ヶ岳登山基地として知られる老舗温泉宿だ(明治13年創業)。
八ヶ岳北東斜面の中腹(標高1,500m)に有り、冬場でも営業しているから、それなりにニーズがあるのだろう。
かつては秘湯だったようだが、今はバス便があるようだ。
ここからも登山ルートがあるが、今回は別ルートである。
中央道・須玉ICからR141で清里方面へ。
一般道が長く、50km以上真っ暗な国道をひた走る。
松原湖方面に左折し、狭い道を進むと、やがて道は山中に吸い込まれていく。
だいぶ心細くなってきた頃、ようやく稲子湯に着いたのは3時前だったか。
バスの折り返し場所付近が駐車スペースのようだ。
一応バスが通りそうな所を避け、車を駐める。
気温が低くかなり寒いが、風はなかった。
きれいなトイレがあり、なんと暖房も入っていた。
宿やトイレの明かりもあり、真っ暗でないのも不安がなくていい。(星は見えづらかったが)
というのも、稲子湯に向かう山道を走らせていると、鹿など夜行性動物が道路上を跋扈しているのだ。
夜は彼らの時間帯で、とんだ邪魔者だったようだ。
あまりに人里を離れてしまうのも、考え物だ。
念のためドアをロックし、シュラフに潜り込んで、寝たのは3:30頃だったと思う。
【これより本題】
例によって、N.Iに起こされた。
まだ真っ暗である。
早速トイレ&食事を済ませ、一服したら登山口に移動する。
すぐに本沢温泉入り口に到着。
ここまでは道は狭いながらも、舗装されているので、全く問題なし。
一般車はここの駐車場まで、オフロード2駆は展望台まで、オフロード4駆はゲートまで行けるらしい。
ゲートまで徒歩40分の道のりである。
行けるところまで行きたいところだ。
入り口は大したことがなさそうなので、展望台にトライしてみる。
腹を打たないように慎重に進み、しばらく行ったカーブの先でタイヤが空転して登らなくなってしまった。
その先も結構な登りのようである。
仕方ないので、あきらめてUターン。
ちゃんと戻れるかという心配もあったのだが、帰りはしっかりグリップしてくれる。
もうすぐ駐車場というところに来て、気がゆるんだか、全く岩に気づかずに、またまた腹を打ってしまった(^^;
ほんとに山向きの車じゃないよなぁ。(無理してゴメンね)
全くの時間の無駄だった。
30分近くロスし、結局入り口の駐車場に車を駐める。
既に2−3台の車が停まっているが、主は見あたらない。
もう登っているのか?
ストレッチをして体を目覚めさせ、早速出発することにする。
標識も案内図も手書きである。
ほほえましい感じ。
入り口はこんな感じでどうってことないダートなのだが、ちょっと行くと岩ゴロだったり、厳しい道となる。
時間ロスが響き、日の出を迎えてしまった。
朝日に輝く紅葉を眺めながら、のんびり歩いていく。
ここが登れなかった坂である。
歩いても15分位の所だが、スピードが出せないので、車でも大して所要時間の差はない。
車輪が空転した跡が痛々しい。
歩けばたいした傾斜でもないのだが、FFは前輪の荷重が抜けるのと、タイヤのパターンがオフロード向きでないのが響いたようだ。
この先のカーブを曲がった後も結構な登りが続いていたから、どうせダメだっただろう。
天狗岳展望台駐車場。
オフロード車なら、2駆でもここまで来られるらしい。
あれが天狗岳か?
本沢ゲートに到着。
ここまで4駆は来られるらしい。
35分の歩きが節約できるというわけだ。
キャタピラ付きの機材は、荷揚げ用であろう。
冬期は、雪上車の送迎もあるようだ。
朝日を浴びて輝く山は天狗岳か?
鞍部の夏沢峠(なつざわとうげ)から箕冠山(みかぶりやま)に続く稜線。
硫黄岳の荒々しい山容が見えてきた。
道端で草をはむカモシカに遭遇。こちらは親。
写真ではこちらを見ているが、すぐに何事もなかったかのように草を食べていた。
こっちはビックリしているのに・・・。
カモシカの子供。可愛らしい。
樹林帯の登りが続く。
本沢温泉に到着。
ここで休憩する。
こちらが入り口。
結構大きな建物だ。
これから下山する人たちが大勢いた。
昨晩泊まったのだろう。
これから夏沢峠に向かうのだが、ちょっと寄り道して野天風呂を見に行くことに。
登山道から左折し、川に向かって下りていく。
崩れやすい砂礫の道だ。
正面に、硫黄岳の爆裂火口が見える。
日本最高所の野天風呂「雲上の湯」が見えてきた。
河原の一角に浴槽が設けられている。
板敷きが脱衣所らしい。
遮るもの何もなし。
野趣あふれる野天風呂だ。
誰もいないので今なら貸切だ。
急遽予定を変更して、朝風呂と洒落込むことにした。
寒いからパパっと服を脱ぎ、さっさとお湯に浸かる。
お湯はぬるめで、長く浸かるには丁度いい。
意外に深いが、腰掛けられるようになっている。
寒くて出る気がしないので、硫黄岳を眺めながら1時間位のんびりお湯に浸かってしまった。
途中で朝日が差し込んできたこともあり、すっかり温まった。
風呂から上がって服を着ていると、どんどん人がやってきて、あっという間に満員に。
丁度いいタイミングだった。
湯あたりしたか、ちょっとふらつく足取りで、出発する。
登山道に戻って見下ろすと、丸見えである。
先ほどやって来た若者達が入っているのが見えた。
ここから道は登山道らしくなる。
再び樹林帯に入り、どんどん高度を稼ぐ。
夏沢峠に到着。
山彦荘が見えている。
向かいにあるヒュッテ夏沢共々、冬期休業中だった。
11/3宿泊が今年最後だったらしい。
先客がいるベンチで休憩する。
後に見えているのは、箕冠山だ。
振り返ると、二軒の小屋の向こうに硫黄岳がゆったりと横たわっている。
箕冠山への登りは、樹林帯を真っ直ぐ道が延びている。
日蔭には僅かに残雪があった。
11/2−3辺りに降ったものと思われる。
登りきると平坦な道となり、視界が開ける。
後に見えているのが東西天狗岳。手前(中央)が根石岳。
箕冠山山頂2,590m。
ここは視界がないので通過する。
根石岳はちょっとした丘陵といった趣だ。
砂礫部分はコマクサの群生地らしく、立ち入り禁止になっていた。
その向こうに根石山荘の屋根が見えている。
背景には、乗鞍岳が姿を見せる。
根石岳(ねいしだけ)山頂2,603m到着。
腹が減ったので、ここで昼食休憩。
素晴らしい景色を眺めながら、カップ麺がまいう〜。
西天狗岳。本日の最高峰だ。
東天狗岳。岩峰のようだ。八ヶ岳には珍しく、鞍部は白砂になっている。
西には乗鞍岳。雪が付いている。
やや南には、御嶽山。
御嶽山と書かれているところが剣が峰だ。
西南西には、中央アルプスが横たわっている。
南には南アルプス。蒼々たる山が勢揃い。間ノ岳は北岳に隠れて見えないようだ。
南東には以前登った瑞牆山・金峰山。
東南東には今年登った甲武信岳。
タバコを吸ったら出発だ。
白砂の鞍部に向かう。
岩峰の小ピークは巻いていく。
白砂新道分岐にザックをデポしていく。
まずは、東天狗岳へ。
上部は岩々だ。
あと少しで山頂だ。
北北東には浅間山がうっすらと見える。
東天狗岳2,640m登頂証拠写真。
西天狗岳はすぐそこだ。
蓼科山も近い。
一旦鞍部に下り、西天狗岳を見上げる。
西天狗岳2,646m到着。
西天狗岳登頂証拠写真。
バックは、東天狗岳。
北西の北アルプス・蓼科山。時間帯のせいか、北アはうっすらとしか写らない。白馬岳に雪が付いているのだが・・・。
ちょっと西寄りの北アルプス・美ヶ原。肉眼では立山・劔に雪が付いているのがわかる。
西北西は比較的よく見える。北アルプス・霧ヶ峰。穂高・槍の辺りは雪が多そうだ。
南南西には、甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳。
南八ヶ岳。
南南西南にひろがる南八ヶ岳・南アルプスのシルエット。
東天狗岳に向かって下山開始。
東天狗岳への登り。
東天狗岳山頂でマッタリしたら、下山開始。
今ここにいる人達は泊まりの人が多いみたい。
日帰りするのは少数派か?
時間的には、ギリギリ日没前に下山可能と踏んではいるが、余裕があるには越したことはない。
振り返って、天狗岳の勇姿を目に焼き付ける。
デポしたザックを回収したら、白砂新道を使って本沢温泉まで一気に下る。
白砂新道とは名ばかりで、道自体には白砂は全くなかった。
入り口が白砂というだけのことらしい。
道はいきなり険しいトラバースで始まる。
比較的整備されてはいるが、迷わないようにリボンを見ながら慎重に下った。
樹林帯に入っても、ひたすら急な下りが続き、一気に高度を下げる。
終盤で渡渉したのだが、河床が真っ赤だった。
赤岳鉱泉付近の川と似ている。
本沢温泉に到着。
結構早く下りることができたので、ここでティータイム。
マッタリする。
今日は鹿肉祭の日のせいか、宿は満室らしい。
登ってくる人や降りてくる人が続々とやって来る。
賑わっているテン場を横目に、ラストスパート。
一気にゲートまで下る。
車が数台駐まっていた。
この後も快調に下り、何とか明るいうちに車に辿り着いた。
装備を解いた後、念のため車を動かし、オイル漏れ等ないか確認。
腹を打ったので、安全確認後、温泉に向かって出発。
北八ヶ岳松原湖温泉「八峰の湯」で夕食後、汗を流してさっぱりする。
閉店の21時まで仮眠して復活。
真っ暗なR141をハイビームで突っ走り、中央道へ。
渋滞はなし。(時間が遅いので解消したのだろう)
快調に走り、日付が変わる頃には、自宅到着。
というわけで、今回の山行も無事終わった。
感謝!!
天気に恵まれ、素晴らしい景色と秘湯を堪能でき、満足度はかなり高かった。
筋肉痛・膝痛は全くなし。
結構長い距離の割には、ダメージはなかった。
【コスト】
用途 |
内容 |
費用 |
ガソリン |
41.47L(@115.0) 514.3km、12.4km/L、4,769円 ※ |
3,081 |
有料道路 |
中央道(須玉−八王子)ETC休日特別 1,000×2 ※ |
1,000 |
中央道均一区間(八王子−高井戸)ETC深夜 往復 300×2 |
600 |
|
首都高(高井戸−篠崎)ETC休日500+ETC平日夜割560 |
1,060 |
|
京葉道(京葉口−武石) 往復 200×2 |
400 |
|
食料 |
ミルクティ ペットボトル(八王子のコンビニ) |
140 |
スポーツドリンク ペットボトル(八王子のコンビニ) |
125 |
|
ハム野菜サンド(八王子のコンビニ) |
210 |
|
カップラーメン(予め買ってあった) |
138 |
|
天せいろ蕎麦(八峰の湯) |
1,080 |
|
みやげ(八峰の湯) |
1,050 |
|
アイスクリーム(八峰の湯) |
300 |
|
温泉 |
北八ヶ岳松原湖温泉「八峰の湯」 |
500 |
合計 |
9,684 |
※二人で半額。ガソリンは距離で按分負担。
1万円を切ればまあまあか。
さぁ、次はどこに行こうか。
(Homeへ)