山行記録201203 棒ノ嶺 (ぼうのみね)
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【日程】 2012年3月11日(日)
【天気】 曇り時々雪
【メンバー】 単独
【概要】 「さわらびの湯−白谷橋−岩茸石−権次入峠−棒ノ嶺−権次入峠−岩茸石−白地平−さわらびの湯」
最高到達点標高969m、歩行距離8.5km、標高差715m、累積標高差+862m−862m
歩行時間3:32、所要時間4:25
棒ノ嶺山頂
【場所】
東京都西部と埼玉県の都県境に山脈が連なる。
東京側から見れば奥多摩と言えるだろうが、埼玉がからアプローチしたので奥武蔵がふさわしいだろう。
山名も、東京では「棒ノ折山(ぼうのおれやま)」、埼玉側では「棒ノ嶺(ぼうのみね)」と異なる。
「棒」が共通なのがおもしろい。
奥多摩の主要ピークより一つ奥に位置するので、奥多摩側からは山に登らないと見えない山だ。
【ルート】
日帰り温泉のさわらびの湯を起点にグルリップルートとした。
もちろん帰りに温泉に立ち寄る目論見だ。
※この地図は、国土地理院測量結果「電子国土9000・・・Web閲覧サービス」「日本高密メッシュ(10mメッシュ標高)」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
以下、本文中に掲載のカシバード画像も同様。休憩地点は、白四角と山頂だ。
【所要時間】
場所 |
さわらびの湯 |
白谷橋 |
林道東屋 |
岩茸石 |
権次入峠 |
棒ノ嶺 |
権次入峠 |
岩茸石 |
林道 |
白地平 |
さわらびの湯 |
計 |
標高(m) |
254 |
339 |
670 |
721 |
893 |
969 |
893 |
721 |
710 |
725 |
254 |
715 |
区間距離(km) |
1.6 |
1.7 |
0.3 |
0.5 |
0.5 |
0.5 |
0.5 |
0.4 |
0.3 |
2.2 |
8.5 |
|
累計距離(km) |
1.6 |
3.3 |
3.6 |
4.1 |
4.6 |
5.0 |
5.5 |
6.0 |
6.2 |
8.5 |
||
着時刻 |
8:20 |
8:55 |
9:51 |
10:09 |
10:33 |
10:48 |
11:30 |
11:46 |
11:55 |
12:05 |
13:00 |
4:25 |
発時刻 |
8:35 |
8:55 |
9:57 |
10:09 |
10:34 |
11:22 |
11:33 |
11:46 |
11:59 |
12:10 |
13:20 |
|
区間タイム |
0:20 |
0:56 |
0:12 |
0:24 |
0:14 |
0:08 |
0:13 |
0:09 |
0:06 |
0:50 |
3:32 |
|
区間タイム小計 |
0:20 |
1:08 |
0:24 |
0:14 |
0:08 |
0:13 |
1:05 |
|||||
所要時間累計 |
0:20 |
1:16 |
1:28 |
1:52 |
2:06 |
2:14 |
2:27 |
2:36 |
2:42 |
3:32 |
||
標準タイム |
0:20 |
1:15 |
0:15 |
0:15 |
0:10 |
0:10 |
1:15 |
3:40 |
||||
標準タイム累計 |
0:20 |
1:35 |
1:50 |
2:05 |
2:15 |
2:25 |
3:40 |
|||||
歩行速度(km/h) |
4.9 |
1.8 |
1.5 |
1.3 |
1.9 |
3.4 |
2.4 |
2.7 |
2.7 |
2.7 |
2.4 |
・標準タイムは、JTBパブリッシング「大人の遠足 関東の山Best100」のタイムを採用。岩茸石からの下りについては、記載がないため推定。
・権次入峠への登りが、標準タイムオーバー。
おばちゃんに追いついてしまった為もあるが、それにしてもギャップが大きい。
・岩茸石への下りは誤差の範囲で、雪道だったとはいえ、納得がいかない。
・下りの権次入峠では地図を出してルートの確認をした。
・下りの林道で、軽アイゼンを外したのと、展望台に寄り道して写真撮影。
・休憩は時刻を緑字で表記。大休止は太字。
断面図でわかるように、白谷橋からは一様の登り。
登りは北側の斜面ということもあり、標高600m位から雪道だった。
下りは700m位からほぼ雪なし。
【はじめに】
週末の天候不順が続き、なかなか山行のチャンスが訪れない。
前回山行から1ヶ月も開いてしまった。
久々の晴れの予報に、以前から温めていた計画を実行に移す。
(晴れの予報といっても、二つの予報で見解が分かれているのが気になるところだ)
tenki.jp
mapion
ちなみに天気図はこんな感じ。tenki.jp
日本海に低気圧があり、あまり良さそうな感じではないが、等圧線の間隔が広く、大荒れになることはなさそうだ。
前日までの雨が山では雪になっていた可能性がある。
新雪ハイクが出来るかも知れない。
アプローチもスタッドレスがあれば何とかなるだろう。
ガイドブックには名栗温泉大松閣への下山ルートが載っていたが、バスで駐車場まで戻らなければならないので、下山ルートを変更した。
いずれにしてもグルリップとなる。
ヤマレコの記録を見ても、かなり歩かれているルートなので問題あるまい。
【これより本題】
起床は5:30。
準備をして6:00出発。
八王子まで高速で行き、福生・羽村・青梅と一般道を辿り、山道で埼玉県に乗り入れる。
名栗渓谷を進み、有間ダム方面に左折。
橋を渡ったところに駐車場とトイレがあった。
一旦ここに駐めたのだが、トイレが冬期閉鎖中。
車の中でタバコを吸っていると、さわらびの湯行きのバスが通過していった。
さわらびの湯の位置がよくわかっていなかったのだが、この先にあるのであればどうせ通り道である。
再び車を走らせ、さわらびの湯の駐車場に駐めることにした。
バス停すぐ裏の駐車場に駐めた。
背後左側の建物はわらび茶屋か。
右側がトイレで、こちらは使用可能だった。
看板に「長時間の駐車はご遠慮ください」と書かれていたが、空いているから問題ないだろう。
バス停のところにあった「なぐりづえ」。
山行に使って良いということのようだが、「名栗杖」と書かないところがにくい。
「殴り杖」では物騒だが・・・。ウケ狙いか。
車道を登っていくと、すぐに有間ダム。
気になる天気だが、山の上は(っていうか、中腹まで)雲がかかっている。
これでは眺望が期待できないだろうな。とほほ
天気予報の悪い方が当たってしまったか。
ダムの上を渡り、平坦な車道を進むと白谷橋。
橋の向こうに数台分の駐車スペースがあり、ほぼ満車だった。
実はここに駐めることも考えたが、グルリップするには具合が悪い。
ここはピストン向きだ。
橋を渡った左が登山口。
白谷の泉は涸れていた。
白谷沢の左岸を遡る。
初めのうちは、河床よりだいぶ高いところに道が付けられているが、次第に徒渉を繰り返すようになる。
藤懸の滝
滝の上に出た。
この後も、徒渉を繰り返す。
本日のハイライト・ゴルジュが登場。
ゴルジュとは「切り立った岩壁に挟まれた峡谷」(山岳用語辞典)、「両側の岩壁が狭まっている谷。峡谷」(三省堂大辞林)を指す登山用語。
フランス語のgorge(「のど」の意)からきている。
「渓谷の幅と比較して更に深い谷」で、「谷の断面は、V字形をなす両岸が険しい崖になっていて谷底平野を持たない」(ウィキペディア)。
「廊下」とも呼ばれるようだ。
黒部峡谷の「下の廊下」もこの定義にはまるだろうが、「廊下」では却って通じないと思う。
多少は凍っているかと思ったが・・・。拍子抜け。
ゴルジュを抜け、右側に登っていく。
白孔雀の滝の横を登っていく。
林道の手前から雪道となった。
階段を上りきると林道。
東屋があったのでここで休憩とする。
雪で埋まった階段を登り詰める。
左折して平坦な巻き道を進む。
尾根に出たところが岩茸石。
右折して尾根を登る。
所々急なところもあるが階段は雪に埋まっていて見えない。
パラパラと雪が降り、先の方は雪で煙っている。
急登をこなすと権次入峠(ごんじりとうげ)。
右折して棒ノ嶺に向かう。
この辺りは一旦平坦だ。
雪の重みで枝が垂れ下がっている。
最後の急登をこなすと、棒ノ嶺(ぼうのみね)山頂969m。
こんな天気でも人が大勢来ている。10人以上いたと思う。
白銀の世界である。日が出ていないから、むしろモノトーンというべきか。
東屋は満員だったので、ベンチで昼食。
雪が降る中、カップ麺がまいう〜。
最高の贅沢である。
食事中に団体さんが登場。
一気に賑やかになる。
20人近くいたか?
風はないが、じっとしていると寒くなってくる。
ちなみに気温は約0℃。まぁこの時期の山頂としては暖かい部類か。
眺望はないし、長居は無用だ。
食後の一服をしたら出発する。
下りに備え、軽アイゼンを装着する。
登りでは不要だったが、下りではあると楽ちんである。
山頂部の木は、着雪ではなく、樹氷(霧氷)だった。
過冷却水滴からなる濃霧が樹木に衝突し、その衝撃で一瞬のうちに凍結した氷層である。
−5℃以下で発生するそうだ。
風上に向かって成長し、その形から海老の尻尾と呼ばれる。
権次入峠で地図を出して下山方向を確認。
登りでは気づかなかったが、岩茸石の左に細く道が続いていた。
この辺りは岩場だが、すぐに滝ノ平尾根の地道になる。
積雪はこの辺りから急速に少なくなる。
樹林帯を抜け、林道に出る。
ここでアイゼンを取り外す。
展望台があったので行ってみる。
相変わらず稜線は煙っている。
先月登った高水三山・岩茸石山に続く稜線だった。
棒ノ嶺方面。
山頂は雲の中。
ちょっと登り返すと白地平(しきじだいら)。
ベンチで休憩。
高水三山の岩茸石山が見えていた。左端が高水山。
林道を何ヶ所か横切って、ひたすら下る。
道が不明瞭な部分もあるが、尾根から外れなければ大丈夫だろう。
下の方は粘土質の土の泥濘に難儀した。
せせらぎの音が増し、左手にさわらびの湯が見えてくれば下界は近い。
民家の横に登山口があった。
橋を渡って、舗装された道を登るとさわらびの湯。
わらび茶屋の駐車場に到着。
装備を解いて開放感に浸る。
靴のソールにびっしり付いた土を落とすのに苦労した。
ブロックパターンに粘土が詰まって表面が平になってしまっている。
新しい靴が台無しである。
歩くのが面倒なので、車でさわらびの湯の建物近くの駐車場に移動。
汗を流してサッパリし、立ち上がったときにグキッ。
いたた・・・。
ぎっくり腰の再発だ。
そのまま温泉療養に突入。
ジェットバスが気持ちよかった。
というわけで、山行は幕を閉じる。
天気はイマイチだったが、新雪の山歩きはおつなものだ。
雪がパラパラ降ったが、さほど邪魔になるわけでもなく、霧で幻想的な感じだった。
さて、時間も早いので渋滞もまだ始まっていないか?
さっさと帰ることにする。
帰りは一般道の混雑を避け、圏央道で八王子経由とする。
途中、信号待ちの時に14:46を迎え、サイレンが鳴ったので東日本大震災の犠牲者に10秒間の黙祷。
飯能に出たのが失敗で、結構遠かったし市街地に入ると混んでもいた。
青梅から圏央道にすれば良かった。
その先は、期待通り空いていて、箱崎以外は快適に流れた。
自宅到着は、17時過ぎと画期的な早さ。
やはり近場は楽である。
筋肉痛 |
太腿とふくらはぎ(翌日まで) |
靴擦れ |
なし(SCARPA) |
関節痛 |
左足首(段差のある下りの歩き方を何とかしないと、ハイカットブーツにマッチしないようだ) |
腰痛 |
今も治らず |
【コスト】
費目 |
料金 |
アプローチ |
6,503 |
宿泊 |
0 |
食事 |
488 |
その他 |
800 |
計 |
7,791 |
次はどこに行こうか。
その前に腰痛を何とかしないと・・・。
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