山行記録201204 谷川岳 (たにがわだけ)
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【日程】 2012年4月21日(土)
【天気】 下の方:曇り時々霧、上の方:快晴
【メンバー】 N.I
【概要】 「天神平−天神尾根−トマノ耳(ピストン)」
最高到達点標高1,963m、歩行距離5.9km、標高差648m、累積標高差+771m−771m
歩行時間4:03、所要時間5:56
トマノ耳よりオキノ耳
【場所】
上越国境・清水トンネルが貫通している山が谷川連峰だ。
豪雪地帯にあるので、この時期でもまだ吹雪くことさえある。
当然積雪量も多いので、周囲の山々も真っ白。
天候に恵まれれば、365°の大展望が待っている。
【ルート】
天神平スキー場からのピストン。
天神尾根を辿るコース。
当然夏道の巻き道部分は直登となるし、雪崩と雪庇踏み抜きを避けるため夏道とは微妙に違うところを歩く。
雪庇の位置が、場所によって逆になっているところにも気をつける必要がある。
※この地図は、国土地理院測量結果「電子国土9000・・・Web閲覧サービス」「日本高密メッシュ(10mメッシュ標高)」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
以下、本文中に掲載のカシバード画像も同様。休憩地点は、白四角・山頂・小屋だ。
【所要時間】
場所 |
天神平 |
稜線 |
熊穴沢 避難小屋 |
第一 見晴らし岩 |
天狗の 留まり場 |
天神 ザンゲ岩 |
ケルン |
トマノ耳 |
肩の 小屋 |
熊穴沢 避難小屋 |
天神平 |
計 |
標高(m) |
1,315 |
1,423 |
1,464 |
1,586 |
1,695 |
1,809 |
1,913 |
1,963 |
1,900 |
1,464 |
1,315 |
648 |
区間距離(km) |
0.4 |
1.0 |
0.4 |
0.3 |
0.4 |
0.3 |
0.2 |
0.2 |
1.4 |
1.4 |
5.9 |
|
累計距離(km) |
0.4 |
1.4 |
1.8 |
2.2 |
2.5 |
2.8 |
2.9 |
3.1 |
4.5 |
5.9 |
||
着時刻 |
8:40 |
9:23 |
10:14 |
10:47 |
11:08 |
11:50 |
12:17 |
12:28 |
12:45 |
14:09 |
14:56 |
5:56 |
発時刻 |
9:00 |
9:30 |
10:26 |
10:58 |
11:22 |
12:01 |
12:22 |
12:37 |
13:26 |
14:12 |
|
|
区間タイム |
0:23 |
0:44 |
0:21 |
0:10 |
0:28 |
0:16 |
0:06 |
0:08 |
0:43 |
0:44 |
4:03 |
|
区間タイム小計 |
1:07 |
1:21 |
0:08 |
0:43 |
0:44 |
|||||||
所要時間累計 |
0:23 |
1:07 |
1:28 |
1:38 |
2:06 |
2:22 |
2:28 |
2:36 |
3:19 |
4:03 |
||
標準タイム |
0:50 |
1:25 |
0:10 |
0:50 |
0:50 |
4:05 |
||||||
標準タイム累計 |
0:50 |
2:15 |
2:25 |
3:15 |
4:05 |
|||||||
歩行速度(km/h) |
1.0 |
1.4 |
1.2 |
1.8 |
0.8 |
1.0 |
1.6 |
1.6 |
1.9 |
1.9 |
1.5 |
・標準タイムは、JTBパブリッシング「大人の遠足 日本百名山 山歩きガイド」記載のタイムを採用。
但し、ガイドブックでは天神峠からのコースになっているので、一部タイムは推定。
・熊穴沢避難小屋までのタイムが遅いのは、標準タイムとコースが違うのと、途中一回休憩した気がする。
・残雪期であるにもかかわらず、登りは標準より早かった。
・下りは尻セードで時間短縮したかも。
・休憩は時刻を緑字で表記。大休止は太字。
距離は短いが、結構急なルート。
【はじめに】
以前から残雪期の谷川岳に行きたいと思っていた。
まだ山行を始めたばかりの頃、初めて単独で行った山だ。
そのときは秋で、初冠雪した翌日のことだった。
季節を変えて、もう一度という主旨である。
谷川岳の標高はあまり高くないが、場所やルートにも書いたように、豪雪地帯である。
前日に天神平スキー場の積雪を調べると3m以上だったし、この一週間だけでも下界なのに雪の日があったりして、4月とは到底思えない雪国ぶりだ。
当然無雪期にはないリスクがある。
雪の状態によっては、滑落リスクもあるし、天候急変で道迷い(一面の雪の上でガスると全く道がわからなくなる)や行動不能に陥るリスクもある。
雪山テクニックがあるわけでもないし、本格的装備があるわけでもない。
これらのリスクを回避するため、ガイドツアーを利用することにした。
これでルートの心配はなくなるし、いざという時にはザイルで確保してくれるのだ。
いろいろ調べると、スノーシューツアーが見つかった。
ただ、ツアーによって開催時期が微妙に違うのが気になるところだ。
何か理由があるに違いない。
当初3月を想定していたが、スノーシューツアーが中止になったり途中で引き返したりするケースが散見された。
どうやらスノーシュー向きコンディションではなかったようだ。
今年の冬は雪が多かったのと、3月の気温が上がらなかったということが原因か。
特にウィンドクラストした雪面には、スノーシューや軽アイゼンでは刃が立たないだろう。
4月に入ってようやく暖かくなってきたが、なかなか土日の天候に恵まれない。
この日もずっと天気予報がイマイチだったのだが、前日の昼に確認したら新潟方面が晴れそうな予報に変わった。
これで俄然やる気が出て、相棒が現地に確認して「快晴ではないものの大きな天気の崩れはない。但し午後から天気が下り坂になりそうなので、出発時間を早める」との情報を得た。
こういう情報入手や天候判断は、現地の人にはかなうまい。
早くもガイド利用のメリットが実感できた。
眺望抜群はあまり期待できないまでも、そこそこ晴れれば良しとしよう。
というわけで、直前に決行を決め、Webでツアーにエントリーした。
すると、受付完了のメールが来て、金曜日に登ったところ、雪がザラメ状でスノーシュー向きではないので、軽アイゼンがあれば持参してとのこと。
申し込んでおいたスノーシュー・ストック・ブーツの3点セットはキャンセルすることになる。
山岳用のスノーシューを試したかったのだが、仕方ない。
ガイドツアーを選んだ理由の一つがなくなってしまった。
やはりスノーシューは新雪向きなのだ。
もともと雪上での沈み込みを防止するための道具なのだから・・・。
また、ビーコンレンタルは必須とのこと。
これは雪崩対策装備である。
ルートから見て大げさかと思うが、ツアーのポリシーらしい。
金はかかるが、これもリスク対策なので仕方ないか・・・。
本格的に雪山をやるとなると、現地のコンディションの変化に対応できるように、いろいろな道具を持って行く必要があることが実感できた。
ただでさえ体力が必要なのに、装備まで重くなるというのでは、筆者には無理だなぁ。
【これより本題】
集合場所は天神平へのゴンドラ待合室。
時間は通常より早い8時と指定された。
前日のうちに近くまで行くことにして、仕事から帰り風呂や飯を済ませ、準備をする。
なんせ、行くのを決めたのが出発当日なので、準備は全くできていない。
22時過ぎにようやく出発できた。
現地は寒そうなので、高速のPAで車中泊とする。
目的の水上ICの一つ手前の下牧PAに乗り入れる。
6:30頃起床。
朝食のおにぎりを食べ、集合場所に向かう。
土合駅を過ぎる頃から、周囲の積雪が目立つようになった。
下界だというのに、春はまだ遠いようだ。
肝心の天気なのだが、山の上には雲がかかっていて、山頂は見えない。
う〜ん、今日は晴れるはずなのだが・・・。
とりあえず余裕をもってゴンドラ地上駅の駐車場に到着。
空いていたので一番上のフロア7Fに駐めた。
7Fと行っても、バス停の前なので地上なのだ。
駐車場が斜面に建てられているため、このようなことになっている。
準備をしたら、集合場所へ。
千葉から来た人がもう一組いて、今回のツアーは4名+ガイドの5名であった。
手続きを済ませ、ビーコンを装着したら、いよいよ出発。
ゴンドラに乗り込む。
さすがに雪解けが進み、下界まで下りるコースは閉鎖されているようだ。
あちこちに雪崩の跡が残っている。
途中から雲に突入し、視界が悪くなる。
勘弁してくれ〜!!!
天神平に着いたら、こんな感じ。
やや明るさも感じられるが、相変わらず視界が悪い。
時折霧が晴れ、青空がドーン。
これでんがな。
写っている天神峠へのリフトは、スキー・スノボ用で登山者は使えない。
峠は経由しないで登ることになる。
アイゼン装着したら出発だ。
背後に微かに谷川岳が見えている。
斜面を一気に直登し、稜線に出る。
夏道は右側を巻いているので、冬専用のルートだ。
近いのはいいが、結構急で一気に暑くなる。
上着を脱いでザックに収納。
痩せ尾根を進むと、先がなくなっている?
実はこんな岩場の下り。
アイゼンを履いたままの濡れた岩場ということで、結構手こずっていた。
高度を上げると、雲海を抜け、谷川岳がドーン。
思わず歓声。
休憩して景色に見とれる。
見えてきたのは、爼ー(まないたぐら)・オジカ沢ノ頭で、谷川岳から苗場側に伸びる稜線だ。
集合写真。
谷川岳アップ。
素晴らしい景観にマッタリ。
だが、まだ先は長い。
熊穴沢避難小屋に到着。
屋根まで完全に埋まっている。
積雪3m位か?
またまた集合写真。
ガイドさんがたくさん写真を撮ってくれる。
あとでWebからゲットできるシステムだ。
なかなかいいサービスだと思う。
高度を上げると、百名山の平ヶ岳(ひらがたけ)・至仏山(しぶつさん)・武尊山(ほたかやま)が見えてきた。
雲海に浮かんでいて、素晴らしい景色だ。
燧ヶ岳(ひうちがたけ)はよくわからなかったが、よく見ると突起が出ているような。
西黒尾根には雪庇が出ている。その背後には白毛門(しらがもん)が。
きつい登りを黙々と。
この斜度はスノーシューではきついかも。
完全に雲海の上に出た。
至仏山・武尊山もクッキリ。
百名山の奥白根山も見えてきた。
爼ー・オジカ沢ノ頭もだいぶ低くなってきた。
第一見晴らし岩で休憩。
素晴らしい景色を眺めながら後続を待つ。
きつい登りは続く。
爼ー・オジカ沢ノ頭が素晴らしい。
高度を上げ、天狗の留まり場と呼ばれる岩場まで来ると、浅間山もだいぶ下の方まで見えてきた。
まだまだ登りは続く。
次の目標は、天神ザンゲ岩。
あそこに見えている露岩がそうかな。
これが天神ザンゲ岩。
西黒尾根にもザンゲ岩があり、そちらは地図にも載っている。
爼ー・オジカ沢ノ頭が素晴らしい。
平坦な山頂部が特徴的な苗場山もバッチリ。
百名山の赤城山の頭が雲の上に出ている。
見えているのは、最高峰の黒檜山だろう。
武尊山の左奥に、奥白根山がバッチリ見えた。
天神ザンゲ岩でマッタリ。
ここの登りがきつかった。
ようやく肩の小屋が見えた。
横目に通過し、山頂に直進。
ケルン前で集合写真。
この標識の下に、かなり大きな石組みがあるのだが、完全に雪に埋まっている。
肩の小屋と爼ーを見下ろす。
ようやくトマの耳1,963mに到着。
谷川岳双耳峰の片割れだ。
こちらがオキの耳。谷川岳もう一つの山頂で、あっちの方が高い。
前回はもちろん行ったが、今回はツアーコースに入っておらず行かない。
途中の雪庇が大きくてやばい。
明らかに雪庇の上を通っている踏み跡があった。
その人、気づいていないだろうが、踏み抜かなくてラッキーだったね。山屋失格。。
オキの耳の奥には、茂倉岳・一ノ倉岳が続いている。
燧ヶ岳・至仏山が雲海の上に。
平ヶ岳・会津駒ヶ岳が美しい。
会津駒ヶ岳も百名山だ。
越後駒ヶ岳(魚沼駒ヶ岳ともいう)、こちらも百名山。
武尊山、左奥には奥白根山。
男体山もギリギリ見えていたようだ。
百名山の皇海山(すかいさん)、写真ではちょっと薄いか。
登頂証拠写真。
ケルン・肩の小屋方面を振り返ると、こちらの雪庇も凄い。
爼ー・オジカ沢ノ頭の向こうには、草津白根山・平標山(たいらっぴょうやま)・苗場山が一望。
四阿山(あずまやさん)も見えていたようだ。
浅間山・爼ーが雲海の上に。
オキの耳。山頂の雪庇もやばい。相当風が強いのだろう。
百名山そろい踏み。巻機山(まきはたやま)・越後駒ヶ岳・平ヶ岳。
白毛門からの一の倉沢岩壁も見てみたい。
肩の小屋前に移動。
この辺り、雪は少なめだ。
カップ麺がまいう〜。
だが、そろそろ熱くなくても良い感じ。
風がなければポカポカなのだ。
雲海が上がってきて、滝雲になっている。
上空の雲も出始めた。
予報通り、天気は下り坂のようだ。
肩の小屋の前で集合写真。
苗場山が雄大だ。
出発準備完了。
下りは早い。
バックは至仏山。
今度は反対側。
スキーにシールをつけて登っている人達。急な登りに苦戦していた。
急な斜面は尻セードで楽ちん&快適。
時間も大幅短縮。
雲海に突入。
一気に寒くなる。
熊穴沢避難小屋の先でテントを張っている人達がいた。
雪銅を掘る人もいるようだし、皆さん楽しみ方は多様だ。
岩場をクリアしたところでパチリ。
夏道側の状態がいいので、帰りは尾根の風下側をトラバース。
ようやく最初に登った稜線に辿り着いた。
最後の下りも尻セード。
気持ちよかった。
ようやく天神平の登山口に到着。
というわけで、お手軽山行は幕を閉じる。
はじめはどうなるかと思ったが、上の方は雲海を抜けて素晴らしい天気に恵まれ、365°の大展望を満喫できた。
天候と無事に感謝!!!
ゴンドラで下界におり、精算したら解散。
装備を解き、温泉に向かう。
以前行ったユテルメ谷川に行く。
だだっ広い露天風呂に浸かってマッタリ。
今日は空いていたので写真が撮れた。
赤城高原SAのレストランで、食事する。
へぎ蕎麦+天ぷらに舌鼓。
これは新潟名物の海藻をつなぎに使ったそばだ。
さて、帰りであるが、遙か遠く練馬で渋滞があるようだったが、手前はずっと空いていた。
結果的に、渋滞は一切なし。
さっさと帰ることが出来た。
やはりGW直前で、皆さん出かけなかったのかな?
下界は天気もイマイチだったし・・・。
筋肉痛 |
二の腕(二本ストックのせいだ) |
靴擦れ |
なし(SCARPA) |
関節痛 |
なし |
日焼け |
日焼け止めを忘れたので、雪焼けでひどい顔に。完全逆パンダ。。 |
【コスト】
費目 |
料金 |
アプローチ |
5,642 |
宿泊 |
0 |
食事 |
2,017 |
その他 |
12,550 |
計 |
20,209 |
ツアーを利用したので、高くつくのは仕方ない。
安全を金で買ったようなものだ。
素晴らしい景色に恵まれ、コスパは高い。
ちなみに燃費は14.6km/Lとそこそこ。
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