山行記録201204 西穂 丸山 (にしほ まるやま)
(Homeへ)
【日程】 2012年4月28日(土)
【天気】 快晴(^^)
【メンバー】 N.I
【概要】 「西穂高口−西穂山荘−丸山(ピストン)」
最高到達点標高2,452m、歩行距離4.5km、標高差319m、累積標高差+421m−421m
歩行時間2:52、所要時間4:12
西穂丸山より笠ヶ岳
【場所】
北アルプス南部・穂高連峰の最南端。
岐阜県・長野県境に位置する。
北は穂高連峰、南東に上高地、北東に笠ヶ岳を望む好立地。
天候に恵まれれば、365°の大展望が待っている。
【ルート】
新穂高ロープウェイ・西穂高口駅からのピストン。
西穂山荘までは樹林帯の登り、稜線に出たら森林限界を超えた雪稜歩きとなる。
樹林帯部は冬期も雪崩の恐れがなく、良く歩かれているが、降雪直後は道がわかりにくいだろう。
当然夏道とは違う直登ルートになっているはずだ。
※この地図は、国土地理院測量結果「電子国土9000・・・Web閲覧サービス」「日本高密メッシュ(10mメッシュ標高)」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
以下、本文中に掲載のカシバード画像も同様。休憩地点は、白四角・山頂だ。
【所要時間】
場所 |
西穂高 口駅 |
アイゼン 装着 |
休憩 |
西穂 山荘 |
ケルン |
丸山 |
ケルン |
西穂 山荘 |
西穂高 口駅 |
計 |
標高(m) |
2,142 |
2,133 |
2,279 |
2,369 |
2,431 |
2,452 |
2,431 |
2,369 |
2,142 |
319 |
区間距離(km) |
0.5 |
1.0 |
0.3 |
0.2 |
0.2 |
0.2 |
0.2 |
1.8 |
4.5 |
|
累計距離(km) |
0.5 |
1.5 |
1.8 |
2.1 |
2.2 |
2.4 |
2.7 |
4.5 |
||
着時刻 |
8:52 |
9:53 |
10:42 |
11:09 |
11:26 |
12:20 |
12:30 |
13:06 |
13:58 |
4:12 |
発時刻 |
9:46 |
10:06 |
10:49 |
11:09 |
12:15 |
12:25 |
13:02 |
13:08 |
14:00 |
|
区間タイム |
0:07 |
0:36 |
0:20 |
0:17 |
0:05 |
0:05 |
0:04 |
0:56 |
2:30 |
|
区間タイム小計 |
1:03 |
0:22 |
0:09 |
0:56 |
2:30 |
|||||
所要時間累計 |
0:07 |
0:43 |
1:03 |
1:20 |
1:25 |
1:30 |
1:34 |
2:30 |
||
標準タイム |
1:30 |
0:15 |
0:15 |
1:00 |
3:00 |
|||||
標準タイム累計 |
1:30 |
1:45 |
2:00 |
3:00 |
||||||
歩行速度(km/h) |
4.1 |
1.7 |
1.0 |
0.9 |
0.5 |
0.9 |
3.7 |
1.9 |
1.6 |
・標準タイムは、山と渓谷2005年8月号別冊付録「槍ヶ岳登山地図帖」記載のタイムを採用。
但し、丸山までの所要時間は記載されていないので、西穂山荘HP掲載の15分を採用。
当然、夏道のタイムである。
・西穂山荘から丸山までが遅いが、残雪期であるにもかかわらず、概ね標準より早かった。
・休憩は時刻を緑字で表記。大休止は太字。
距離は短いが、結構急なルート。やはり冬道は急だ。
【はじめに】
いよいよGW到来。
昨年は南アルプスで雪上テント泊をしたが、今年はどうしようか?
以前から行きたいと思っていた残雪期の北アルプスに白羽の矢を立てる。
初心者でも行ける所となると、涸沢か西穂方面が候補に挙がる。
GWの涸沢はテントの花が咲くので有名だが、景色は下から眺めるのみで稜線まで登るのはハードルが高い。
それでもいい景色が期待できるが、一泊の行程となる。
また、涸沢まで行くのにも雪崩のリスクがある。
西穂方面の強みはロープウェイで結構な高さまで上がれること。(先週登った谷川岳より高いところまで行ける)
行き先によっては日帰りが可能だし、稜線上の西穂山荘に泊まれば、ご来光も期待できる。
また、雪崩のリスクがないので、稜線まで登る事ができる。
雄大な景色なら西穂方面の勝ちか?
ということで、西穂方面に狙いを絞った。
さて、西穂高岳そのものは雪の着いた岩稜なので、残雪期は当然筆者には無理。
本やHPでみても、初心者は独標までで引き返すよう推奨されている。
となると、ターゲットは独標か丸山ということになる。
泊まりなら独標、日帰りなら丸山という感じか?
ちなみに独標へは、前爪付き(つまり本格的な8本刃以上の)アイゼンとピッケルを持参するよう推奨されていた。
丸山までは軽アイゼン(6本刃)でも大丈夫そうだったが・・・。
つまり筆者の装備では丸山までということになる。
一般論としてはそうだろうが、雪質次第というのが筆者の考えである。
クラストしていれば本格アイゼン・ピッケル、シャーベット状なら軽アイゼンだけで充分だろう。
ようやく気温が上がってきたので、先週の谷川岳のような雪質だとみた。
あとは少しだけある岩場の状態次第だ。
予想で悲観的になっていても仕方ないので、現地に行って自分の目で見てから判断すればいい。
一応独標を視野に入れて準備を進めた。
西穂山荘は予約不要らしいので、臨機応変に対応できるよう、夜行で始発ロープウェイを目指すことにする。
これなら、日帰り・泊まりの両面作戦が可能である。(遅く行くと泊まる選択肢しかなくなる)
天候や現地の状況、体力と相談して、柔軟に対応しよう。
肝心の天気であるが、当初の予報が変わって、連休初日の土曜日の天気が良さそうだ。
最悪日月の日程で考えていたが、土日プランに決定。
あとは高速の渋滞のみが気がかりだ。
【これより本題】
例によって、金曜日仕事から帰り、風呂や飯を済ませてから出発だ。
今回は余裕をもって22時頃出発できた。
連休前日ということで、混雑を警戒していたが、自宅でWebのリアルタイム渋滞情報を見てもさほど混雑していない。
実際スムーズに流れ、普段の金曜夜よりも空いている位だった。
順調に高速をひた走る。
眠くて仕方がないので、新穂高温泉までの夜行は無理と判断。
高速のPAで車中泊とする。
目的の松本ICの二つ手前の諏訪湖SAに乗り入れると、さすがに混雑していた。
車中泊組が結構多いのは、さすが連休ということだろう。
自分は出遅れたようだが、そのせいで道が空いていたのかも知れない。
翌朝6:30頃起床。
朝食のおにぎりを食べたら出発。
先はまだ長い。
松本ICからR158で高山方面へ。
昼間は遅い車が多いが、そこそこのペースで新穂高温泉に到着。
始発のロープウェイには間に合わなかったが、次の9時発にちょうどだった。
ザックの重量を量られて、8kg以上だと荷物券が別途300円。
10kg以上あったので、しっかり取られてしまった。
総重量では筆者よりはるかに重い人もいるのに、荷物だけで料金を取られるのは納得いかん。
第一ロープウェイは小型のものなので、観光客などで結構混雑していて、定員オーバーで乗り切れず、臨時便で鍋平高原駅へ。
しらかば平9:15発の第二の大型ロープウェイに乗り換えて、西穂高口まで行く。
せっかくなので展望台に出てみると、素晴らしい景色が待っていた。
標識にある通り、既に標高2,156mもある。
西穂高岳が雄大だし、今回の目標である独標や丸山も見えている。
槍ヶ岳が見えるとは思っていなかった。
槍ヶ岳・大喰岳・中岳・南岳といった3,000m峰が並んで見える。
槍ヶ岳アップ。
確かに尖っているから、間違いない。
昨夏行った水晶岳・鷲羽岳も見えていた。なんと素晴らしい景色だ。
遠くから見ると山座同定はなかなか難しいが、ほぼ予想通りだった。
昨年行った笠ヶ岳も見事。
こちらは間違いようがない。
槍ヶ岳超ドアップ。さすがに急な岩場の槍の穂先は雪が着いていない。
活火山の焼岳が近い。よく見ると噴煙が上がっているのがわかる。(肉眼でははっきり見えたが、写真ではきついか)
観光客用の雪の回廊を出発。
除雪されているし、凍結していないのでアイゼンは不要。
観光客向けに長靴の貸し出しサービスがあった。
相棒の靴が滑って下りで手こずった為、本日最低高度辺りでアイゼンを装着。
アイゼンを履けば歩きやすいのは確かなので、便乗した。
ついでに休憩。タバコがうまい。
避難小屋らしき建物。
屋根の雪が凄い。重そうだ。
時折樹間から見える西穂高岳に力を得て、快調に登っていくが、どうも相棒の体調がイマイチで足取りが重い。
独標の先は岩峰が並び、積雪期は素人には無理なのが見て取れる。
踏み跡明瞭で、ポールも立っているので道迷いの心配はない。
降雪直後はルートファインディングが難しいかも。
急なところも、階段状に足跡がついているので、楽ちんだ。
キックステップはほとんど不要。
傾斜が緩みトラバースになると山荘は近い。
西穂山荘に到着。
バックは乗鞍岳だ。
上高地を挟んで屹立する霞沢岳が雄大だ。テン場にはテントもチラホラ。
さすがにGWでも混んではいない。涸沢に行っている人が多いのだろう。
笠ヶ岳がちょうど真正面。
西穂高岳までは結構距離があるし、途中独標・ビラミッドピークなど結構アップダウンがあるのがわかる。
夏でも大変そうなルートだ。
急登をこなし、ケルンの所に陣取る。
振り返ると、乗鞍岳・焼岳が見事だ。
足下には大正池も見える。
乗鞍岳アップ。素晴らしい。3,000m峰だけあって、さすがに雪が多い。
霞沢岳・上高地。上高地はほとんど雪が溶けたようだ。下界はハイキング日和かも。
鷲羽岳が目立つ。水晶岳は重なってしまったようで見えなかった。
雲の平への入り口・祖父岳も見えていたようだ。
笠ヶ岳、何度見ても素晴らしい。
稜線は風で飛ばされるようで雪が少なく、所々土が出ている。
黒部五郎岳が見えていたかどうかは微妙であるが、位置は正しかろう。
笠ヶ岳アップ。山頂右直下の小屋はまだ雪に埋もれているか?
錫杖岳アップ。
背後に金剛堂山が見えていたようだ。
双六岳・鷲羽岳。
双六岳は昨夏行きそびれたので、いずれ行きたい。
乗鞍岳アップ。
畳平までの道はまだ開通していないようだ。乗鞍高原は一面の雪だ。
大正池が見えた。
アップしたら、大正池ホテルもクッキリ。
西穂高岳手前のピラミッドピーク。一番左のピークの後に白い西穂高岳が隠れている。
西穂高岳全貌。
右側の白い斜面のすぐ左の雪が着いていないピークが独標だ。独標と西穂高岳の間のピークがピラミッドピークだが地図には載っていない。
双六岳・三俣蓮華岳・鷲羽岳。
三俣蓮華岳は山頂が見えているかどうかは微妙。杓子平は笠新道の急登を登ったところで、昨年笠ヶ岳に行くときに通った。
腹が減ったのでここで昼食。
西穂高岳の右側に見えているのは前穂高岳。吊り尾根の右側だ。
残念ながら、奥穂高岳は独標まで行かないと見えない。
この雪質であれば、軽アイゼンで登れそうだったが、相棒の体調が回復しないので、独標はあきらめた。
食後、空荷で丸山2,452mまでピストン。
とりあえずピークを一つ踏んで満足した。
独標まではこの白い斜面を登り、一旦ちょっと下って岩場を登ることになる。
まだ大勢の人が登っているのが見える。
皆さん、もちろんちゃんとした装備(アイゼン・ピッケル)だ。
きっとほとんどの人が山荘に泊まるのだろう。
ここからは西穂高岳山頂は見えなかった。
ピラミッドピークと独標アップ。
独標の上に立つ人の姿が見えた。
白い斜面を尻セードで下ってくる人達を見ながら引き返す。(先週の谷川岳みたいな感じの雪斜面だ)
独標をパスした分、時間はタップリあるので、ケルンの所でマッタリする。
景色を堪能したら撤収。
西穂山荘まで引き返す。
振り返ると結構な急斜面だが、ピッケルは不要。
下りが急なのと、アップダウンがあったりして、結構疲れる。
西穂高岳を目に焼き付けて下山。
ようやく散策路の雪の回廊に到着。
時間的にも余裕がある。
西穂高口駅に到着。カッコ良い笠ヶ岳を目に焼き付ける。
さっさとロープウェイで下山する。
下りは手荷物料金を取られなかった。ラッキー。
お土産を買ったら出発。
駐車場が時間制で、タッチの差で追加料金を500円も取られた。こちらはアンラッキー。
下界より笠ヶ岳。だいぶ景色が違う。
次は温泉だ。
野趣溢れる新穂高の湯に食指が動いたが、相棒は「無理」ということで、近くのひがくの湯に行く。
露天風呂でマッタリ。
R158を松本に引き返す途中、蕎麦屋を物色。
安曇資料館の奥にある宿の蕎麦はやっていなかった。
満開の桜を眺めて満足し、次の蕎麦屋候補へ。
こちらが松本大近くにある味処「懶亭(ものくさてい)」。
古民家を移築した建物が雰囲気出ている。
名物?の三段蕎麦を食べた。
一段目は普通のざる蕎麦。
二段目はワサビ蕎麦。
上に乗っているのが葉ワサビ。
これが強烈に辛いがうまいのだ。
三段目はとろろ蕎麦。
全般に蕎麦自体はたいしたことはないが、トッピングと雰囲気で食べさせる店という感じ。
ちょっと辛口コメントだが、水準には達していると思う。
値段は高め。
さて、帰りであるが、遙か遠く小仏トンネルで渋滞があるようだったが、手前はずっと空いていた。
小仏トンネルにさしかかる頃には、渋滞も解消しており、結果的に渋滞は一切なし。
中央道はかなり利用するが、未だかつてない位空いていた。(深夜・早朝よりも空いていたのではないか)
首都高もガラガラ。
おかげで、さっさと帰ることが出来た。
自宅到着は、22時過ぎとリーズナブル。
往復700km近いアプローチは快適そのものだった。
GWとはいえ、初日の日帰りは少なかったようだ。
また、今年は新東名の開通で、中央高速方面に行く人が減ったのかも知れない。
何はともあれ、素晴らしい天気に恵まれ、素晴らしい景色を堪能した。
無事と天気に感謝!!!
筋肉痛 |
なし |
靴擦れ |
なし(SCARPA) |
関節痛 |
なし |
日焼け |
今回は日焼け止めをバッチリ塗ったので無事。但し、前回の日焼けで腕の皮がポロポロになってきた。 |
【コスト】
費目 |
料金 |
アプローチ |
13,084 |
宿泊 |
0 |
食事 |
2,168 |
その他 |
2,400 |
計 |
17,652 |
さすがに遠いので、アプローチが高くつくのは仕方ない。
ロープウェイ代もあるし・・・。
日帰りにしたので、宿泊代で9,000円節約。
素晴らしい景色に恵まれ、コスパは高い。
ちなみに燃費は14.9km/Lとそこそこ。
まだスタッドレスを履いているのにこの位走れば文句はない。
次はどこに行こうかな。
ちょっと体力的には物足りなかったので、できれば連休中にもう一つ行きたい。
(Homeへ)