山行記録 苗場山 (なえばやま)
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【日程】 2012年6月23日(土)
【天気】 晴
【メンバー】 Y.U
【概要】 「駐車場−和田小屋−神楽ヶ峰−苗場山(ピストン)」
最高到達点標高2,145m、歩行距離15.5km、標高差925m、累積標高差+1,280m−1,280m
歩行時間6:01、所要時間8:37
山頂部に広がる湿原
【場所】
新潟県・中越南部で、長野県と接している地域にある。
関東からは、関越トンネルを抜け、湯沢からのアプローチが近い。
苗場スキー場というのがあるが、こいつはちょっと離れていて、かぐら・みつまたスキー場の上部にある山だ。
【ルート】
ガイドブックに載っていた祓川ルート。
山頂では、ちょっと散策。
※この地図は、国土地理院測量結果「電子国土9000・・・Web閲覧サービス」「日本高密メッシュ(10mメッシュ標高)」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
以下、本文中に掲載のカシバード画像も同様。休憩地点は、白四角と山頂だ。
【所要時間】
場所 |
駐車場 |
和田 小屋 |
下ノ芝 |
中ノ芝 |
上ノ芝 |
神楽ヶ峰 |
雷清水 |
苗場山 |
ベンチ |
雷清水 |
神楽ヶ峰 |
中ノ芝 |
下ノ芝 |
和田 小屋 |
駐車場 |
計 |
標高(m) |
1,220 |
1,369 |
1,686 |
1,862 |
1,950 |
2,030 |
1,907 |
2,145 |
2,141 |
1,907 |
2,030 |
1,862 |
1,686 |
1,369 |
1,220 |
925 |
区間距離(km) |
1.5 |
1.7 |
0.8 |
0.5 |
0.7 |
0.5 |
1.6 |
0.9 |
1.5 |
0.5 |
1.2 |
0.8 |
1.7 |
1.5 |
15.5 |
|
累計距離(km) |
1.5 |
3.2 |
4.1 |
4.5 |
5.2 |
5.7 |
7.3 |
8.2 |
9.8 |
10.3 |
11.4 |
12.3 |
14.0 |
15.5 |
||
着時刻 |
|
6:54 |
7:47 |
8:31 |
8:54 |
9:15 |
9:34 |
10:28 |
11:45 |
12:33 |
12:54 |
13:27 |
14:07 |
14:54 |
15:20 |
8:46 |
発時刻 |
6:34 |
6:55 |
7:57 |
8:42 |
8:54 |
9:22 |
9:36 |
11:20 |
11:56 |
12:35 |
13:02 |
13:41 |
14:14 |
15:00 |
|
|
区間タイム |
0:20 |
0:52 |
0:34 |
0:12 |
0:21 |
0:12 |
0:52 |
- |
0:37 |
0:19 |
0:25 |
0:26 |
0:40 |
0:20 |
6:10 |
|
区間タイム小計 |
0:20 |
0:52 |
0:34 |
0:33 |
1:04 |
- |
0:56 |
0:25 |
0:26 |
0:40 |
0:20 |
|||||
所要時間累計 |
0:20 |
1:12 |
1:46 |
1:58 |
2:19 |
2:31 |
3:23 |
- |
4:00 |
4:19 |
4:44 |
5:10 |
5:50 |
6:10 |
||
標準タイム |
0:25 |
1:20 |
0:40 |
0:50 |
1:10 |
- |
1:00 |
0:40 |
0:20 |
1:00 |
0:20 |
7:45 |
||||
標準タイム累計 |
0:25 |
1:45 |
2:25 |
3:15 |
4:25 |
- |
5:25 |
6:05 |
6:25 |
7:25 |
7:45 |
|||||
歩行速度(km/h) |
4.5 |
2.0 |
1.5 |
2.4 |
1.9 |
2.5 |
1.8 |
2.2 |
2.5 |
1.6 |
2.8 |
1.9 |
2.6 |
4.5 |
2.6 |
・標準タイムは、JTBパブリッシング「大人の遠足 日本百名山 山歩きガイド」のタイムを採用。
・概ね標準タイムより早かった。
傾向を見ると、木道や階段など整備されている区間はちょっと早いだけだが、未整備の山道区間は超っ早。
和田小屋−下ノ芝区間は結構荒れた道だった。
・下りの中ノ芝−下ノ芝区間は、階段の下りが多く、膝痛のためゆっくり下った。
・休憩は時刻を緑字で表記。大休止は太字。
断面図でわかるように、全体に緩やかな登り。
神楽ヶ峰から一旦下っての登り返しがきつそうだ。
【はじめに】
季節は梅雨である。
週末の天気が優れず、とうとう月末に突入しようかというところで、なんとか晴れ間が期待できる感じになってきた。
金曜日昼に連絡を取り、金曜発夜行日帰りプランに急遽決定した。
当初は3名での計画だったが、1名都合がつかず、2名での山行だ。
ちなみに実際の天気図はこんな感じ。tenki.jp
高気圧がちょっと北に偏っているが、まあまあ期待できそうな天気図だ。
ところがわからないもので、この日に蔵王に行った人の話では、暴風と霧雨でヤバかったとのこと。
その人曰く「樹氷ができる理由がわかった」とのことなので、よほど寒かったのだろう。
この天気図からは、到底読み切れない。
苗場山は以前から計画していたが、なかなか日の目を見なかったプランである。
夏は暑そうだし、秋には他にもっと行きたい山があったということだ。
それでも昨秋には、ドラゴンドラ活用により、秘湯「赤湯温泉」を絡めたグルリッププランが実現寸前まで行ったが、天候不順で流れてしまった。
赤湯温泉に行こうとすると、車がネックになるのだが、ドラゴンドラが動いている時期なら、駐車場からのグルリップが可能になるのだ。
このプランはかなり魅力的だったが、仕方あるまい。
さて、今年はというと、アルプスにはまだ早いこの時期に計画した。
梅雨の前半は前線が南寄りにあるため、北日本方面が狙いである。
というわけで、ようやく苗場山の出番が来た。
気になる直前に通過した台風の影響だが、Yamakei Onlineの和田小屋情報では「台風4号の被害は一切なし」とのこと。
これで心置きなくGoサインだ。
虫が多いとのことなので、ヘッドネットを持参することにする。
会社から帰宅後、食事・風呂を済ませ、準備をしたら出発。
なんだかんだで22:00を過ぎている。
Y.U宅には日付が変わるちょっと前に到着。
二人になったので、コスト節約で、K carで行く。
圏央道・関越で、土樽PAに移動し、車中泊。
途中で降り始めた霧雨はまだ止んでいない。
【これより本題】
起床は5:00。
まだ霧雨が降っている。
晴れるはずなのだが・・・。
湯沢ICで関越を下り、R17で登山口へ。
その前にIC近くのコンビニで朝食。
林道への入り口がわかりにくかった。
暫く行くとゲートが登場。
前を行く車は3台とも金を払っている。
何の気なしに1,000/人を支払う。
看板に何か主旨らしきものが書かれていたので、念のため写しておいた。
これがよく読むと、山菜採りや釣り人が有料なのであって、登山は無料らしい。
ゲートのおじさん、ちゃんと説明してよ!!!!
ということも自分では気づかずに、隣の車のおばちゃんに教えてもらって初めて気づいた次第。
しかもそれは下山後のことだった(^^;
狭い林道は舗装されていて快適だった。
駐車場に着いた時もまだ雨が降っていたが、出発する時には止んでいた。
これから天気は回復方向のはずなので、期待できそうだ。
ここにはトイレがあるし、水道もある。
一般車進入禁止の道を進むと、和田小屋に到着。
ここまで舗装されているが、結構きつかった。
ゲレンデを斜めに登っていくと、上部にはこんな残雪が。
気持ちよく登っていくと、可愛らしいイワカガミが出迎えてくれた。
ベンチがある下ノ芝で休憩。
相棒にはぶっちぎられてしまい、座って待っている。
タバコがうまいぞ。
おばちゃんが蚊取り線香に火をつけていたので聞いたら「この時期、新潟の山は虫が多いから、虫除けが必須」とのことだった。
一応ヘッドネットを持ってきたのだが、今のところたいして虫に悩まされてはいないので、使っていない。
これからやばいのか。。
七合半の手前で残雪が登場。
ここで道間違いして引き返し。
雪のところは要注意。
木製階段を上っていくと、中ノ芝。
ここでも相棒が待っていた。
そんなに遅いわけでもないのに、全く着いていけない。
パワーアップしたのはわかったから、もっと手加減してちょーだい。
足が攣ったと話していたら、おばちゃんが薬をくれた。
ありがたいことだ。
早速飲んで、どうやら効いたようだ。
上ノ芝は通過。
良く整備されていて、歩きやすい。
ショウジョウバカマがたくさん咲いていた。
股スリ岩より神楽ヶ峰を望む。
アイゼンなしで問題ないが、蹴り出しで滑って膝に回転が加わり、関節痛になった。
神楽ヶ峰(かぐらがみね)2,030mに到着。
標識に「八合目」と書かれている。
あくまで苗場山への通過点でしかないらしい。
ベンチ(といっても木の棒が横たわっているだけ)で休憩。
足下に咲いていたナエバキスミレ。
名前からして固有種か?
富士見坂の下りで見つけたシラネアオイ。
ちょうど満開だった。
ようやく姿を現した苗場山本体。
あの登りはきつそうだ。
どんどん下ると、雷清水と名付けられた水場。
神楽ヶ峰からの湧き水だ。
東国ミツバツツジか?
神楽ヶ峰と苗場山の鞍部にはお花畑が広がり、多くの花が咲き乱れていた。
鞍部が九合目らしい。
名前不明の花。
苗場山本体への登りは、雲尾坂と名付けられており、結構な急登だ。
喘ぎながら、ようやく山頂部に到着すると、一面の雪原が広がっていた。
雪原に踏み出すと、高層湿原が迎えてくれた。
名前の由来にもなっている「苗場」だ。
この季節、田んぼに稲を植えたようには見えないが、これはこれで素晴らしい。
素晴らしい景色に疲れも吹っ飛ぶ。
遠くに小屋の屋根が見えている。
山頂は小屋の近くにあるはずだ。
休業中の遊仙閣前のベンチに陣取る。
ここが実質山頂みたいなものだ。
警戒していたのだが、ここまでブヨが少しまとわりついた程度で、特に問題なかった。
昼食はいつものカップ麺。
今日は+焼き鳥の缶詰だ。
食後はのんびりティタイム。
これ、日輪って言うのかな?
珍しい現象だ。
ありがたや。
遊仙閣の裏に山頂標識がある。
こちらは営業中の山頂ヒュッテ。
長野県栄村の経営だ。
下りですれ違った人の感じからすると、結構大勢泊まる人がいた模様。
既にマッタリしている人もいる。
こちらでピンバッチをゲット。
役行者像。
湿原を散策。
まだ雪がゴチャマンと残っている。その向こうの一段低くなっているところに湿原が続く。
かなりの広さだ。
素晴らしい景色だ。
東には皇海山(すかいさん:百名山)が尖っている。
仙ノ倉山・平標山が近い。
東には奥白根山(おくしらねさん:百名山)も。
谷川岳(たにがわだけ:百名山)は雲海の中か?武尊山(ほたかやま:百名山)・男体山(なんたいさん:百名山)は見えていそう。
南東には赤城山(あかぎやま:百名山)。
黒桧山が最高峰。
池塘がたくさん。
こちらには浅間山(あさまやま:百名山)が見えていた。かなり近く感じる。
東には尾瀬の燧ヶ岳(ひうちがたけ:百名山)・至仏山(しぶつさん:百名山)も見えていた。
まさに百名山オンパレードだ。
水芭蕉を一株だけ発見。
尾瀬より標高が高いせいか、まだこれからという感じ。
残雪との対比も中々である。目に焼き付けておく。
なんと、南西に北アルプスが見えるではないか。この時期としては、かなり視界が良い方だ。
常念岳(じょうねんだけ:百名山)・奥穂高岳(おくほだかだけ:百名山)・槍ヶ岳(やりがたけ:百名山)・笠ヶ岳(かさがたけ:百名山)・水晶岳(すいしょうだけ:百名山)と勢揃い。
北アルプスの続き(苗場からの方向は西になるが、北アルプス北部)
薬師岳(やくしだけ)・立山(たてやま)・鹿島槍ヶ岳(かしまやりがたけ)・剱岳(つるぎだけ)・五龍岳(ごりゅうだけ)・白馬岳(しろうまだけ)が百名山だ。
北アルプス南部アップ。
北アルプス北部アップ。
北アルプス北部続き。
鞍部まで下りるとお花畑。
名も知らぬ白い花。
下りですれ違ったおばちゃんが、栞をくれた。
苗場山デザインの手作りオリジナルである。
趣味なのかと思ったら、裏に「山火事防止 中越森林管理署」と書かれている。
ボランティア活動なのかも知れない。
桜の仲間?
雷清水から苗場山を振り返る。下りはあっという間だ。
美味しい水を補給。神楽ヶ峰への登り返しがきつかった。
神楽ヶ峰より、東北東の雲海上には平ヶ岳(ひらがたけ:百名山)。
会津駒ヶ岳(あいづこまがたけ:百名山)は微妙か。
東に燧ヶ岳・至仏山。
雲海のせいか、近く感じる。
奥白根山もバッチリ。
谷川岳(たにがわだけ:百名山)は雲海ぎりぎりだ。
東南東には仙ノ倉山が近い。
皇海山は仙ノ倉山の向こう側か?袈裟丸山の続きにあるはず。
南東の赤城山。
赤城山は全体としては大きいが、山上に小さなピークが林立しているイメージだ。
田代原分岐を過ぎ、雪上を進む。
股スリ岩を登る。(順番待ち)
中ノ芝で休憩。
北東には魚沼(越後)駒ヶ岳(うおぬまこまがたけ:百名山)・巻機山(まきはたやま:百名山)。
平ヶ岳・会津駒ヶ岳辺りは雲で微妙。
アップ。
実は来週巻機山に登るのであった。越後駒も行かなくちゃね。
右に目を転じると、燧ヶ岳・至仏山。
今日下界は一日曇りだったようだ。
谷川連峰の上に、奥白根山が。
男体山・武尊山は見えていないか。谷川岳はギリギリ。
東南東には皇海山が尖っている。
松手山に登り、平標山から仙ノ倉山まで残雪期に歩いたのを思い出す。
この辺りは良く整備されていて快適なのだが、膝が痛くて思うように下れない。
いきおいスピードダウンすることになってしまった。
下ノ芝からの下りが長くて嫌になった。
ようやく和田小屋に到着。
ベンチでぐったり。
ここからの林道歩きは完全に蛇足だ。
駐車場まで長かった。
さて、装備を解いていると、隣の車のおばちゃんが「なんでお金払ったの?」と衝撃発言。
ここで初めて、登山者は入林料金が不要だと知った。
帰りに取り返す決意で下って行くと、なんとゲートに人がいないではないか。
ふざけんな!!
というわけで、ムカツキつつ、温泉へ。
街道の湯で露天に浸かりマッタリ。
既に筋肉痛が・・・。
飯は、赤城高原SAで、新潟名物のへぎ蕎麦+ミニ天丼。
関越道は空いていた。
さすがにK-Carの燃費は良く、常時4,000回転以上回していたのに、20km/Lを余裕で越えた。
Y.U宅で愛車に乗り換え、自宅に向かう。
眠くならなかったので、一気に帰った。
結局自宅到着は、21:00頃と早かった。
やはり近場は楽である。
筋肉痛 |
ふくらはぎ(火曜日に治った)。太腿は筋肉痛なしなので、登りがきつくなかったと言うことか。 |
靴擦れ |
なし(SCARPA) |
関節痛 |
右膝内側が歩いているときから痛かったが、激痛はなかった。 |
腰痛 |
なし |
虫さされ |
下山時にブヨに咬まれた。右腕と首の後。ヘッドネットは使わずじまい。 |
GPSを今回も持参した。
精度は問題なかったが、途中でバッテリー切れ。
ログは山頂から引き返した鞍部で終わっていた。
最後の記録ポイントは12:31のものだった。
約6時間でバッタリー切れになったことになる。
スーパースタミナモードにしていたので、公称11時間保つはずである。
半分強しか保っていない。
これからいろいろ試して原因を探りたいと思う。
【コスト】
費目 |
料金 |
アプローチ |
8,216 |
宿泊 |
0 |
食事 |
2,049 |
その他 |
1,000 |
計 |
11,265 |
K-car利用によるコストダウン効果は、約1,360円。
八王子までのコストがかさみ、トータルでは意外に効果が少ない結果となった。
満足度は高かったので、コストパフォーマンスは良いと言えるだろう。
次はどこに行こうか。
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