山行記録  峰の松目 (みねのまつめ

 

Homeへ)

 

【日程】        2012年7月28日()

【天気】        晴後夕立

【メンバー】  N.I

【概要】        「桜平−夏沢鉱泉−オーレン小屋−峰の松目(ピストン)」

最高到達点標高2,567m、歩行距離9.7km、標高差777m、累積標高差+837m−837m

歩行時間3:45、所要時間6:18

 

桜平より峰の松目

説明: 120728-092712南東_峰の松目

 

【場所】

山梨・長野県境にある八ヶ岳連峰。

峰の松目は、赤岳などの県境の尾根からは、長野県側にちょっと離れている。

位置的には、八ヶ岳のどのピークも見渡せそうな場所である。


大きな地図で見る

 

 

【ルート】

直接登るルートは見当たらない。

桜平まで車で入り、桜坂の駐車場が満車のため、路肩に駐めて歩いた。

夏沢沿いにオーレン小屋を経由し、峰の松目を目指した。

当初は硫黄岳まで足を伸ばす計画(図の緑鎖線)だったが、ピストンに変更した。その理由は・・・

説明: 峰の松目ルート地図05_9000

※この地図は、国土地理院測量結果「電子国土9000・・・Web閲覧サービス」「日本高密メッシュ(10mメッシュ標高)」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。

以下、本文中に掲載のカシバード画像も同様。休憩地点は、白四角と山頂だ。登りと下りで微妙に違うところで休憩している。

 

【所要時間】

場所

路肩

桜平

夏沢

鉱泉

オーレン

小屋

峰の松目

オーレン

小屋

夏沢

鉱泉

桜平

路肩

標高(m)

1,790

1,893

2,054

2,315

2,567

2,315

2,054

1,893

1,790

777

区間距離(km)

0.8

1.3

1.5

1.3

1.3

1.5

1.2

0.8

9.7

累計距離(km)

0.8

2.1

3.6

4.9

6.2

7.7

8.9

9.7

着時刻

 

9:22

9:55

10:46

11:52

13:05

13:58

15:19

15:28

6:18

発時刻

9:10

9:27

10:05

11:06

12:28

13:27

14:58

15:19

 

区間タイム

0:12

0:28

0:41

0:46

0:37

0:31

0:21

0:09

3:45

区間タイム小計

0:12

0:28

0:41

0:46

0:37

0:31

0:21

0:09

所要時間累計

0:12

0:40

1:21

2:07

2:44

3:15

3:36

3:45

標準タイム

0:12

0:30

0:45

1:00

0:40

0:30

0:20

0:09

4:06

標準タイム累計

0:12

0:42

1:27

2:27

3:07

3:37

3:57

4:06

歩行速度(km/h)

4.0

2.7

2.2

1.7

2.1

2.9

3.6

5.4

2.6

・標準タイムは、昭文社「山と高原の地図」のタイムを採用。

 

・概ね標準タイムより早かった。

・下りは意識してゆっくり目に歩いた。

・帰りに夏沢鉱泉で入浴。

 

・休憩は時刻を緑字で表記。大休止は太字

 

説明: 峰の松目ルート断面図_補正

山頂直下を除き、概ねなだらかだ。

 

【はじめに】

今年も梅雨明け十日はスッキリしない天気が続いた。

特に週末がパッとしない。

というわけで、どこにも行かないうちに、とうとう月末になってしまった。

 

月末には仲間との山行計画があった。

その前に一人でという目論見は崩れ去った。(後から考えると、海の日三連休は行けたかも)

 

その月末の計画であるが、当初南アの仙丈ヶ岳を予定していた。

しかし、相棒の泊まりが無理になったということで、日帰りで再検討したが、バスの都合で日帰りは厳しいことが判明。

マイカー規制が立ちはだかった。

 

他のプランということで、昨年雪のためにアプローチで断念した峰の松目に白羽の矢を立てた。

八ヶ岳連峰も山行を重ね、かなり行き尽くしてきた。

八ヶ岳の名前の由来となる「八ッ」は、編笠山・西岳・権現岳・阿弥陀岳・赤岳・横岳・硫黄岳に今回の峰の松目を加えた八つのピークだといわれている。

残りの七ッは既に踏破しているので、峰の松目に登れば、「八ッ」を制覇することになる。

(この他にも、天狗岳・茶臼山・北横岳・蓼科山・ニュウにも登っている)

 

さて、天気の方であるが、日々予報が変わる不安定さだ。

前日の予報では夕立がありそうだ。

雷雨は勘弁願いたいところだ。

余裕を見て、15時下山をターゲットにすれば大丈夫だろうということで、決行を決めた。

 

ちなみに実際の天気図はこんな感じ。tenki.jp

 

 

「太平洋高気圧に覆われ」というよりは、「高気圧の縁」という感じで、これでまあまあ晴れるのだから不思議である。

それでも昼頃には高気圧が発生して晴天域に入ったようだ。

雨雲の動きを見たら、15時以降広範囲でにわか雨があったらしい。

想定よりちょっと早い降り出しだった。

 

金曜日は早く帰宅し、準備を済ませて早めに寝た。

 

【これより本題】

起床は4:00。

朝食を済ませたら、出発だ。

まあまあ空いている。

八王子は6時。

ここから混雑し始め、料金所を過ぎたところから小仏トンネルまで渋滞だ。

やはり夏の朝出は車が多い

談合坂手前辺りからようやく流れ始めるが、車の量は相変わらず多く、ゆっくり目の流れだ。

 

笹子トンネルを抜けたら、そこは曇りの国だった。

出迎えてくれるはずの白峰三山はもちろん、奥秩父も八ヶ岳も全く見えないではないか。

なんとトンネルを越えただけで天気がからっと変わってしまった。

こりゃ外したかとがっくり・・・。

しかし今更引き返すわけにはいかない。

 

更に進むと上り車線で渋滞しているのが見えた。

事故だ。

今発生したばかりのようだ。

トラックと乗用車が衝突したらしく、派手に道をふさいでいた。

 

八ヶ岳PAで休憩。

相変わらず八ヶ岳は全く見えない。

腹が減ったので、地産のチョリソーに舌鼓。

 

説明: 120728-083736桜平入り口

 

 

 

 

 

 

 

 

諏訪南ICで一般道に出て、八ヶ岳西麓に向かう。

ゴルフ場や別荘地を経て、ようやく林道入り口へ。

前回はこの林道途中で積雪のため敗退している。

今日も思いがけず渋滞にはまったので、ちょっと出遅れ気味である。

 

 

 

 

 

説明: 120728-091030路肩に駐車

 

 

 

 

 

 

砂利道にもいい加減飽きてきた頃、路肩に車を駐めている人がいた。

話を聞くと桜平の駐車場が満車らしい。

早速便乗させてもらう。

ここから桜平まで10分以上かかった。

歩いているうちにも、続々と車がやってくる。

夏休みだからか、子供連れが多い。

 

 

 

 

 

説明: 120728-095501夏沢鉱泉

 

 

 

 

 

30分弱で夏沢鉱泉に到着。

なんとここまで小屋(っていうか旅館??)の車が入っている。

さすが四駆だ。

 

まあまあの天気になってきて、日が射すと暑いが、心地よい風に吹かれてマッタリ休憩する。

既に標高2,000mを越えているだけのことはある。

小屋に登山届を提出。

 

 

 

 

 

説明: 120728-104550オーレン小屋

 

 

 

 

 

 

 

 

ようやく登山道らしくなった道を進むと、オーレン小屋に到着。

以前ここにテン泊するプランを立てたこともあったが実現しなかった。

三度目の正直で、ようやくこの地に立った。

 

 

 

 

 

 

小屋の前に掲示されていた八ヶ岳の伝説を引用しておく。

これによると、峰の松目から八ッが見えるとなっており、峰の松目自体は八ッには含まれないということになる。

八ヶ岳の「八ッ」は冒頭に記した深田(日本百名山の著者)説と差があることがわかる。

尤も、深田さんも「強いて挙げれば」という注釈付で言っているので、どれが「八ッ」なのかを詮索することに意味はなかろう。

テキスト ボックス: 八ヶ岳の伝説

大昔、赤岳の神様磐長姫と、富士山の木花咲耶姫がおりました。
木花咲耶姫はいつも、「私の方が赤岳よりずうっと背が高く美しい」と自慢ばかりしておりました。
それを見かねた、峰の松目の如来様が「水の裁判をしてやろう・・・」と思い、赤岳の峰から富士山の頂上に長い樋をかけ、夏沢の水をそそぎました。すると、水は富士山の方へ勢いよく流れ下り、赤岳の方がはるかに背が高いことがわかると、富士の木花咲耶姫は大変悔しがり、腹を立てて赤岳の峰を蹴飛ばしました。
その時の流れた水は、富士五湖に成り、富士の白糸の滝となり、今日も変わることなく水をたたえている。
又、磐長姫の流す涙は諏訪湖、松原湖、白駒池になり、オーレン強清水になって流れとなり、現在に至っている。蹴飛ばされた赤岳は、八ッの峰に分かれたそうな。
この伝説の通り、峰の松目に登れば、八ヶ岳の八ッの峰すべてを一望することが出来ます。
あなたも伝説とロマンの山、峰の松目に登ってみませんか。
オーレン小屋より四十五分でその頂上に立つ事が出来ます。
伝説の名水、オーレン強清水を是非味わってみて下さい。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


説明: 120728-110201オーレン強清水

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらが「オーレン強清水」。

変な癖がなく本当にうまい水だ。

 

 

 

 

 

 

 

説明: 120728-111004森林浴

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからはまさに森林浴。

人が少ない割には良く整備されていた。

(大勢いた人達は、硫黄岳か天狗岳に行ったのだろう)

 

 

 

 

 

 

 

 

説明: 120728-111719赤岩の頭分岐

 

 

 

 

 

 

 

 

奥秩父と似た雰囲気だ。

稜線のコルに出てからの登りがきつかった。

何度かニセ山頂にだまされた。

 

 

 

 

 

 

説明: 120728-115258峰の松目2567

 

 

 

 

ようやく峰の松目(みねのまつめ)山頂2567.3mに到着。

残念ながら、木が茂り、視界が全く開けていない。(八ッが見えるという話はどうなった?)

腹が減ったので、ここで昼食。

 

さて、既に昼である。

ここから硫黄岳経由の計画だったのだが、それでは夕立を避けられないかも知れない。

(本日の目玉・夏沢鉱泉入浴で時間がかかるので)

やはり渋滞などによる出遅れが響いている。

 

 

 

 

 

説明: 120728-123308急降下

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

急遽ピストンに変更。

(こういう決断は早いのであ〜る)

ということで下山開始。

まずは山頂直下の急降下をこなす。

(いつも思うのだが、こんなとこ良く登ったよって感じ)

 

 

 

 

 

 

 

坂の途中に視界が開けた場所があった。

ここから唯一八ヶ岳本体の眺望が得られた。

こちらはキャンセルした硫黄岳

説明: 120728-123648東_硫黄岳

赤岩の頭(あかいわのかしら)は木の陰。

説明: 120728-123648東_硫黄岳_カシバード

 

こちらは赤岳・阿弥陀岳。今まで秋冬専門だったので、新緑の八ヶ岳をはじめた見た。

説明: 120728-123706南南東_横岳・赤岳・阿弥陀岳

編笠山や権現岳はここからは見えないようだ。(やはり「八ッ」の定義が違う)

説明: 120728-123706南南東_横岳・赤岳・阿弥陀岳_カシバード

 

硫黄岳アップ。(あそこまで約1.5時間かかる)

説明: 120728-123738硫黄岳アップ

 

横岳。(岩山なのだが緑色。草付か)

説明: 120728-123711横岳

 

赤岳。(赤っぽいから赤岳か)

説明: 120728-123719赤岳アップ

 

阿弥陀岳。(こちらは木が多そう)

説明: 120728-123723阿弥陀岳アップ

 

 

説明: 120728-130407オーレンテン場

 

 

 

 

 

 

その後は、樹林帯をのんびり下る。

日が当たらないから、意外に暑くないのは助かる。

オーレン小屋のテン場まで下りてくると、テントの花が咲いていた。

スノコの上にテントを張るようになっている。

特にぬかるむ感じではなかったが・・・。

大型のテントが多かった。

 

 

 

 

 

オーレン小屋前から峰の松目が見えた。(南西方向) 標高差は250m位とたいしたことはない。

小屋前は超混雑。泊まる人も多いのだろう。小さい子供が走り回っていて、普通のキャンプ場みたい。

説明: 120728-131526峰の松目

 

東には硫黄岳も頭がちょっとだけ。こちらの標高差は450m位ある。

目に焼き付けて下山開始。さぁ、温泉入りに行くぞ〜。

説明: 120728-132737東_硫黄岳

 

説明: 120728-135859夏沢鉱泉

 

 

 

 

 

 

 

 

夏沢鉱泉に到着。

さぁ、風呂だ風呂だと建物に近づいていく。

すると、子供が「ヤマネがいる」と教えてくれた。

 

 

 

 

 

 

説明: 120728-135932ヤマネ

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらがその「ヤマネ」君。

掌に楽々乗れるほど小さくかわいい。

野生動物とは思えない位、警戒心がないのが不思議だ。

 

 

 

 

 

 

説明: 120728-141137風呂

 

 

 

 

 

 

 

 

今回のお楽しみの一つ。

夏沢鉱泉に浸かりマッタリ。

この濁り具合が何とも言えない。

筆者好みの温泉である。

 

 

 

 

 

気持ちよくなったところで出発。

車までまた歩かなければならない。

黒雲が出てきたけど、何とか降られずに済んだかななどと思いながら歩いていたら、なんと、車の手前10m位から急に夕立が降り始めた。

大粒の雨が、路面をたたく。

急いで車に退散して、装備を解く。

山の夕立だから、当然あっという間に土砂降りになった。

きわどいタイミングで、濡れずに済んだという訳だ。

隣の車の人は10数分遅れで帰ってきたが、びしょ濡れだった。

 

硫黄岳をキャンセルして大正解。

恐れていた雷は、結果的にはなかったが、車到着は安全ラインとして設定した15時を30分ほど過ぎていた。

とりあえず結果オーライとはいえ、反省材料ではある。

(とは言え、ここは沢筋の登山道なので、雷より増水の影響の方がありそう)

 

というわけで、山行は無事終了。

今回は山行というよりは、秘湯に浸かりに行った感が強い。

それはそれで満足だったのであるが・・・。

 

さぁ、後は帰るだけである。

雨の中林道走行するのはゾッとしなかったが、ボケッと待っていても仕方ない。

慎重に進んでいると、反対側からタクシーの隊列がやってきた。

ちょうど悪い時間帯に当たってしまったか?

すれ違いに苦労しながら、何とか舗装路まで辿り着いた時には、ホッとした。

 

カーナビの地図にないルート(地図が古いだけでメジャーなルート)を通って、諏訪南ICから中央道に入る。

はるか先の小仏トンネルではもう渋滞が始まっているようだ。

 

高速ICに行く途中に蕎麦屋でもあれば良かったのだが、何もないので高速で食べることにする。

八ヶ岳PAで、清里ソーセージカレーに舌鼓。

 

その後も道は空いていて、快調に走っていたのであるが、眠気が襲ってくる。

「これはやばい」ということで、談合坂SAで仮眠。

1時間位寝ていたかも知れない。

エアコンつけっぱなしでもったいな!

(そのせいか、燃費は12.9km/Lと悪かった。)

 

渋滞は解消しておらず、ノロノロと進む。

小仏トンネル渋滞は17kmだった。

やはり人と同じ時間帯に行動していてはダメだねぇ。

 

結局自宅到着は、21:30過ぎとなってしまった。

 

筋肉痛

なし

靴擦れ

なし(Lafuma)

関節痛

なし(Lafuma)

腰痛

なし

虫さされ

なし

 

GPSであるが、今回も結果は思わしくなかった。

やはり途中でバッテリ切れになったと思われ、帰りは夏沢鉱泉以降のログがなく、車の位置まで直線が引かれている。

その後は八ヶ岳PAまで直線が引かれている。

これは所々で機能が復活したためではないか。

正規の電源断であれば、ログが別ファイルになるはずである。

一つのファイルのままログが欠落しているのは、その間不安定な状態になっていたと考えられる。

もう一つ、スタート地点がおかしく、ここも直線が引かれている。

これは測位の誤差によるものと考えられる。

山中で樹林帯なので、衛星の捕捉が難しいのかも知れない。

イマイチ使い物にならない感が出てきたなぁ。

説明: 峰の松目GPSルート地図05_9000

 

【コスト】

費目

料金

アプローチ

7,740

宿泊

食事

1,440

その他

650

 9,830

 

近場だし、二人で行ったので安上がり。

 

次はどこに行こうか。

夏休み縦走前にもう一回行きたいが・・・。

 

 

Homeへ)

inserted by FC2 system