山行記録 編笠山・西岳 (あみがさやま・にしだけ)
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【日程】 2012年11月3日(土)
【天気】 快晴(^^)
【メンバー】 単独
【概要】 「富士見高原−編笠山−青年小屋−西岳−富士見高原」
最高到達点標高2,524m、歩行距離10.9km、標高差1,190m、累積標高差+1,291m−1,291m
歩行時間5:57、所要時間7:50
編笠山山頂より南八ヶ岳のピーク群
【場所】
山梨・長野県境にある八ヶ岳連峰。
編笠山・西岳は、連峰の最南端に位置し、南八ヶ岳のどのピークも見渡せそうな場所である。
また、視界さえ良ければ、富士山・南アルプス・中央アルプス・北アルプスの眺望も期待できる。
【ルート】
反時計回りにグルリップ。
時間がなければ編笠山ピストンにしようかと思っていたが、珍しく初志貫徹して西岳まで足を伸ばした。
実は一昨年に西岳に行った時、編笠山に行かずにピストンで済ませた前科があるのだ。(逆回り未遂)
※この地図は、国土地理院測量結果「電子国土9000・・・Web閲覧サービス」「日本高密メッシュ(10mメッシュ標高)」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
以下、本文中に掲載のカシバード画像も同様。休憩地点は、白四角と山頂だ。
【所要時間】
場所 |
富士見 高原 |
盃流し |
見晴台 |
石小屋 |
休憩 |
編笠山 |
青年 小屋 |
西岳 |
林道 |
不動 清水 |
富士見 高原 |
計 |
標高(m) |
1,334 |
1,540 |
1,755 |
1,780 |
2,100 |
2,524 |
2,381 |
2,398 |
1,728 |
1,509 |
1,334 |
1,190 |
区間距離(km) |
1.4 |
0.9 |
0.2 |
0.8 |
1.2 |
0.5 |
1.7 |
2.0 |
0.8 |
1.4 |
10.9 |
|
累計距離(km) |
1.4 |
2.3 |
2.5 |
3.3 |
4.5 |
5.0 |
6.7 |
8.7 |
9.5 |
10.9 |
||
着時刻 |
8:00 |
8:41 |
9:08 |
9:20 |
10:08 |
11:29 |
12:43 |
13:43 |
14:53 |
15:30 |
15:57 |
7:50 |
発時刻 |
8:07 |
8:41 |
9:14 |
9:20 |
10:11 |
12:24 |
12:50 |
14:14 |
14:58 |
15:36 |
16:05 |
|
区間タイム |
0:34 |
0:27 |
0:06 |
0:48 |
1:18 |
0:19 |
0:53 |
0:39 |
0:32 |
0:21 |
5:57 |
|
区間タイム小計 |
0:34 |
0:33 |
2:06 |
0:19 |
0:53 |
0:39 |
0:32 |
0:21 |
||||
所要時間累計 |
0:34 |
1:01 |
1:07 |
1:55 |
3:13 |
3:32 |
4:25 |
5:04 |
5:36 |
5:57 |
||
標準タイム |
0:40 |
0:30 |
2:40 |
0:30 |
1:00 |
1:10 |
1:00 |
0:30 |
8:00 |
|||
標準タイム累計 |
0:40 |
1:10 |
3:50 |
4:20 |
5:20 |
6:30 |
7:30 |
8:00 |
||||
歩行速度(km/h) |
2.5 |
2.1 |
2.0 |
1.0 |
0.9 |
1.6 |
1.9 |
3.1 |
1.5 |
3.9 |
1.8 |
・標準タイムは、昭文社「山と高原の地図」のタイムを採用。
・超っ早のペース。と思ったが、前回の西岳の方がもっと早かった。
・休憩は時刻を緑字で表記。大休止は太字。
意外に傾斜が急で、編笠山直下の岩ゴロの登りが堪えた。
【はじめに】
早季節は変わり、山は晩秋〜初冬の気配である。
そろそろ3,000m級は雪山に衣替え。
2,000m級に山行の軸足を移す。
車を変えて、スタッドレスが付けられない(ホイールの寸法が合わない)為、アプローチに不安がないところへ行きたいところだ。
11/1の夜から11/2にかけて雪が降ったところも多く、群馬から長野に抜ける渋峠は、雪で通行止めになっていた。
条件的には、八ヶ岳辺りが今シーズン登り納めか?
というわけで、2005/8/17に登ったが、ガスで眺望がイマイチだった編笠山・権現岳に狙いを付けた。
気になるアプローチだが、山梨県道路規制情報を調べると、観音平へのアプローチ県道618に雪だるまマークが。
しかもバッテンが・・・。
これはどういう意味だ?雪で通行止めという意味か?
というわけで、編笠山・権現岳グルリップは断念。
一旦これであきらめかけたのだが、西岳側から編笠山に登るルートを思いついた。
こちらは、1,500m以上ある観音平より標高が低い富士見高原から登ることになる。
富士見高原には、ゴルフ場やスキー場があるので、万一雪が降っても除雪が入るし、アプローチ面では有利だ。
(まあいくら除雪しても、ノーマルタイヤでは無理だけど)
八ヶ岳方面の積雪状況を調べると、根石岳・硫黄岳・北横岳の小屋近辺は、11/2朝には積雪があったことがわかった。
「2,200m以上には登山道に積雪があり、滑りやすく冬山同様の厳しさ」とのこと。
軽アイゼンが必要だ。
さて、高気圧が張り出してくるので、天気は良さそうだ。
問題は風と気温である。
数値計算結果を調べると、標高2,000mでも気温はマイナス3℃くらいで、10m/s級の北西風とのこと。
編笠山は2,500m級なので、もっと酷いかも・・・。
強くて湿った北西季節風が吹くと、八ヶ岳にぶつかって上昇気流となり、八ヶ岳だけに雲がかかることもあり得る。
この場合、下界が晴れても、八ヶ岳はダメである。
計算結果を見て、かなり萎えたのだが、天気図で見る限り、これほど強風になるとは思えない気圧配置だった。
天気図を信じて初志貫徹、決行を決めた。
ちなみに実際の天気図はこんな感じ。tenki.jp
「移動性高気圧に覆われ」というよりは、「弱い冬型が残る」という感じなのが気になるところだが、天気は良さそうだ。
実際、冬型に起因する風もなく、気温も山頂で+3℃くらいと、ポカポカだった。
高層天気の方が下界より先に進展するはずなので、いち早く高気圧圏内に入ったのかも知れない。
数値計算結果は、あくまで参考程度ということで良いみたい。
ここまで絶好の天気になるとは当然知らなかったのであるが、まだ迷いつつも金曜日は早く帰宅し、準備を済ませて早めに寝た。
【これより本題】
起床は4:00。
朝食を済ませたら、出発だ。
まあまあ空いている。
八王子は6時。
ここから混雑し始め、料金所手前辺りから小仏トンネルまでのろのろ渋滞だ。
やはり紅葉シーズンは車が多い。
笹子トンネルを抜けたら、ちょっと雲が多い。
白峰三山は雲に隠れており、かろうじて甲斐駒が見えている。
八ヶ岳は見えているので、大丈夫だろうと思いつつ進むと、先に進むにつれ、雲がなくなり、八ヶ岳は快晴だった。やった!!!
駐車場には結構な台数の車がいた。
皆さんお好きですなぁ。
靴を履き替えて即Go!
山麓の森は黄色く色付いている。
五叉路で前回の西岳ルートに別れを告げ、帰りに寄った盃流し方面へ。
「神仙秘境」(なんと大げさなキャッチだ!!)盃流しは通過。
ここから先は未知の世界だ。
こんな標識がたくさん出ているのはいいのだが、山頂までの所要時間がいい加減である。
この例では、2時間15分と印刷されていたものを、誰かが手書きで修正して、4時間5分に変更している。
いずれも標準タイムとは異なるのが問題だ。
検証するために表にまとめてみた。
標識の 標高 |
場所 |
山頂までの所要時間 |
1.5倍の タイム |
|||
標識の 印刷 |
手書き 修正 |
標準 タイム |
実績 (今回のタイム) |
|||
1,550 |
盃流しの先 |
2:15 |
4:05 |
3:03 |
2:47 |
3:22 |
1,590 |
林道交差 |
2:10 |
- |
- |
2:43 |
3:15 |
1,775 |
見晴台分岐 |
1:35 |
3:10 |
2:35 |
2:21 |
2:22 |
1,800 |
石小屋の先 |
1:30 |
- |
- |
2:07 |
2:15 |
1,900 |
樹林帯の葛籠折れ |
1:20 |
2:40 |
- |
1:54 |
2:00 |
2,000 |
1:10 |
2:30 |
- |
1:43 |
1:45 |
|
2,100 |
0:55 |
1:55 |
- |
1:21 |
1:22 |
|
2,200 |
0:45 |
1:25 |
- |
1:00 |
1:07 |
|
2,300 |
0:30 |
1:15 |
- |
0:48 |
0:45 |
|
2,400 |
森林限界を超えた岩ゴロ |
0:20 |
- |
- |
0:23 |
0:30 |
明らかに印刷されているタイムが速すぎるのがわかる。
これでは、手書きで修正したくなる気持ちがわかるというものだ。
しかし、その修正にも問題があり、こちらは遅すぎるのだ。(印刷されているタイムの2倍)
部分的に判明している標準タイムとの比較でも、行き過ぎがわかる。
ここは間をとって、印刷の時間に1.5倍するのが妥当という気がする。
道自体は問題なく、快適な山歩きだ。
石小屋。
大峰山だったら、「僧の○×さんが修行した石窟」という謂われが付きそうな所だが、ここは素っ気ない。
標高1,900m辺りから傾斜が強まり、鬱蒼とした樹林帯の葛籠折れにかかる。
日が当たらないので、ヒンヤリしている。
岩を登っていくようになると森林限界が近い。
樹林帯を抜け、岩ゴロに出ると、素晴らしい景色が待っていた。
既に標高は2,400mなのだが、雪は残っていなかった。
南アルプスの眺望が素晴らしい。
中央アルプスもバッチリ。
御嶽山・乗鞍岳。ちょっと小さいか。
雲海に浮かぶ富士山と南アルプス。
北アルプスと手前の西岳。
後で行く西岳の下には、赤茶けた感じの下界が広がっている。これは黄葉林なのだが、色が違って見える。
編笠山(あみがさやま)山頂2,524mより南八ヶ岳のピーク群。
前回はギボシしか見えなかったので、今回、これが見たくて登ったようなものだ。
阿弥陀岳・横岳・赤岳アップ。
赤岳にはちょっとだけ雪が着いている。
ギボシ・権現岳もクッキリ。
権現小屋が見えるとは思わなかった。近そうに見えるが、結構きつかった覚えがある。
南アルプスの北岳アップ。
さすが3,000m峰。雪で真っ白だ。
南アルプス・甲斐駒ヶ岳アップ。
あまり雪はない。
仙丈ヶ岳アップ。
こちらはかなり雪がある。
中央アルプスの宝剣岳・木曽駒ヶ岳。
こちらも雪が着いている。
御嶽山も白い。
乗鞍岳には少し雲がかかってしまった。
穂高連峰・槍ヶ岳にもだいぶ雪が着いた。
大キレットは雲で見えない。
表銀座辺り。
雲がかかるとわかりにくい。
南アルプス・空木岳アップ。
富士山アップ。
南アルプス・鳳凰山。
地蔵岳のオベリスク(尖り)がよく見える。
山頂では、景色を楽しみながら、カップ麺で腹ごしらえ。
天気が良くて、風もなく、ポカポカと日だまりを楽しむ。
空気が澄んで最高の季節である。
名残惜しいが、下山開始。
といっても、目指すは西岳である。
先ずは、青年小屋に向かって下る。
日当たりが悪いのか、なんと残雪があるではないか。
かなり下ったと思ったが、まだあんなに遠くに小屋の青い屋根が見えた。
急な下りでどっと疲れて、青年小屋前で再び休憩。
今日は今シーズン最終営業日なので、宿泊も結構混雑しているようだ。
夏に来た時より明らかに人が多かった。
西岳方面は、小屋裏手のテン場から道が続いている。
テン場は霜柱が融けてだいぶぬかるんでいたが、すでにテントが4張り。
寒いだろうに、皆さんお好きなようで・・・。
途中、乙女の水を飲んでのどを潤す。
補給するほど今日は消費していないので、飲むだけにとどめたが、激冷たかった。
赤岳はその名の通り赤みを帯びている。
西岳山頂2,398mに到着。
先ほどまでいた編笠山はなだらかな裾野を持つ。
右の尾根を登ってきたと思うが、この程度の傾斜でも疲れたのである。
その上には富士山が姿を覗かせている。
こちらからも南アルプスがきれいに見えている。
旭岳・東西ギボシ・権現岳がよく見える。
旭岳やギボシは地図には表記がないピークだ。
阿弥陀岳・赤岳がよく見える場所なのだが、木が邪魔ですっきり見ることはできない。
この位置では中岳が木に隠れてしまった。
山頂でマッタリお汁粉を食べていたら、編笠山方面から家族連れが到着して賑やかになった。
テント泊なのだとか。
大型のテントがあったから、二家族で泊まるのだろう。
楽しく話させてもらった。
日帰りの身としては、帰りの時間が気になるところだ。
目標は16時に駐車場着だ。
(コースタイム通りでは17時着になってしまうが、前回の実績から見て大丈夫だろう)
賑やかな家族に別れを告げて下山開始。
先ずは超っ早で林道まで下って休憩。
次は不動清水で休憩。
ここで水を補給。
下界は素晴らしい紅葉だ。
駐車場には、予定通り16時前に到着。
下りでは、靴擦れと膝痛に悩まされたが、何とか無事下山できた。
次は温泉だ。
道の駅・小淵沢にあるスパティオ「延命の湯」でマッタリ。
相変わらず混雑していて、写真はなし。
腹が減ったので、近くの「一品料理と越前手打ち蕎麦の店 塚治朗」に行く。
広い店内だが、一人なのでカウンターに陣取る。
何も考えずに、天ぷら・おろしそばを頼んだが、後で見たら「ランチメニュー」だった。
これって大丈夫だったんだろうか???
おろしぞばは、とっくりの汁の中におろしが入っているので、一気にぶっかける必要がある。
なかなか変わった趣向である。
お味の方は、越前ということで関西風か?
蕎麦は付け汁で食べたい筆者の好みではなかった。
天ぷらは、塩で美味しくいただいた。
というわけで、山行は無事終了。
さぁ、後は帰るだけである。
道は空いていて、快調に走っていたのであるが、遥か先の小仏トンネル渋滞が始まっている。
ちょうど帰宅ラッシュの時間帯なので、紅葉シーズンだし混んでいても仕方ない。
急いで行っても渋滞にはまるだけだ。
眠気が襲って来たことだし、高速に乗ってすぐの八ヶ岳PAで仮眠することに。
外気温計は7℃を示している。
寒そうなので、分厚い方の車載シュラフに潜り込む。
3.5時間位寝て目が覚めた
時刻は21:30。
もうそろそろ渋滞は解消しているか?
PAの掲示で確認すると、まだ少し渋滞が残ってはいるものの、だいぶ短くなっており、近辺にさしかかる頃には解消するのではないか と思われた。
出発することにする。
読みが当たり、小仏トンネルも車は多かったが、まあまあのペースで流れたので、正解だった。
その後も同じような感じ。
なんだかんだで、自宅到着は日が変わる直前だった。
【車について】
燃費は14.8km/L。
10年前のストリームと変わらない結果だ。
同じ排気量の最新の車としては、ちょっと物足りない結果だ。
やはり遠出では17km/Lくらい走ってもらいたいものだ。
まぁ、今回は結構飛ばしたので、その割には良いのかも知れないが・・・。
それと解せないのは、瞬間燃費ではかなり良好な数値が出ているにもかかわらず、満タン法による計測では大幅に結果が悪くなってしまうこと。
瞬間燃費計が水増し表示しているのでは と疑いたくなる。
ぬか喜びさせないで欲しい。
【体調について】
筋肉痛 |
太腿、ふくらはぎ(火曜日まで) |
靴擦れ |
右親指裏、右小指外側(SCARPA) |
関節痛 |
左膝外側(SCARPA) |
攣り・痙攣 |
下山後靴を脱ぐ際、左ふくらはぎが攣ったが軽微 |
腰痛 |
なし |
虫さされ |
なし |
下りは靴擦れが酷く、何回も紐を締め直した。
それでも指先の当たりは回避できず。
ちょっと靴のサイズが小さ過ぎたか?
関節痛が出やすいのも困る。
どうも靴が頑丈且つ重すぎて、足の弱い部分に負荷が集中しているのかも知れない。
【カメラについて】
EX-ZS150は2回目の出動である。
今回は撮影154枚。
電池は満タンのままで、まだ余裕がある。
しかし、他の面でいろいろ問題が出てきた。
12.5倍ズームは中々重宝なのだが、オートフォーカスが効かず、エラーとなることが多い。
そのままシャッターを押すと、ピンぼけ写真の量産となってしまう。
テレ端においては、コントラスト検出型のオートフォーカスではダメなのだろう。
そこで、フォーカス無限大に設定し直そうとすると、中々面倒な操作が必要だ。
テレ端でフォーカス検出できない場合は、その時だけ自動的に無限大に設定する位してくれるとありがたい。
(「遠くを写す時にテレ端を使うことが多い」と決め撃ちしてもいいんじゃないか)
そうすればピンぼけの量産は避けられるはず。
色調がイマイチ。
どうも画作りがわざとらしいというか、不自然な色調になってしまう。
昔の方が、素直な画質で好感が持てたのに・・・。
やたらいじくり回すと、却ってダメになるという感じがする。
写真のタイムスタンプがおかしい。
連写しているわけでもあるまいし、秒まで同じタイムスタンプの写真が数枚出来てしまい、後の整理が大変。
少なくとも、数秒の間隔は開いているはずなのに、明らかにおかしい。
推測だが、画素数が増えてデータ量が大きくなったため、保存処理に時間がかかるようになったのが影響しているのではないか?
次の写真を撮れるまでの待ち時間を減らすために、バッファリングしているとしたら。
そして、ある程度溜まったところで一気にSDへの保存をしているとしたら。
こんな条件が重なったら、同じタイムスタンプになるのかも知れない。
【コスト】
費目 |
料金 |
アプローチ |
9,638 |
宿泊 |
0 |
食事 |
2,245 |
その他 |
600 |
計 |
12,483 |
近場の割には高い。
やはり単独行はコスト高にならざるを得ない
次はどこに行こうか。
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