山行記録 天狗岳 (てんぐだけ)
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【日程】 2012年12月2日(日)
【天気】 晴れ
【メンバー】 単独
【概要】 「渋ノ湯−黒百合ヒュッテ−東天狗岳(ピストン)」
最高到達点標高2,640m、歩行距離9.0km、標高差799m、累積標高差+833m−833m
歩行時間5:27、所要時間6:20
東天狗岳山頂より南八ヶ岳のピーク群(硫黄岳・赤岳・阿弥陀岳)
【場所】
山梨・長野県境にある八ヶ岳連峰。
天狗岳は、連峰のほぼ中心に位置し、八ヶ岳のどのピークも見渡せそうな場所である。
また、視界さえ良ければ、富士山・南アルプス・中央アルプス・北アルプスの眺望も期待できる。
夏沢峠の北にあるので、北八ヶ岳に属する。
【ルート】
当初グルリップ(緑鎖線)で計画したが、温泉入浴時間の都合でピストンに変更。
※この地図は、国土地理院測量結果「電子国土9000・・・Web閲覧サービス」「日本高密メッシュ(10mメッシュ標高)」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
以下、本文中に掲載のカシバード画像も同様。休憩地点は、白四角・小屋と山頂だ。
【所要時間】
場所 |
渋ノ湯 |
八方台 分岐 |
黒百合 ヒュッテ |
中山峠 |
東 天狗岳 |
中山峠 |
黒百合 ヒュッテ |
八方台 分岐 |
渋ノ湯 |
計 |
標高(m) |
1,841 |
2,121 |
2,390 |
2,407 |
2,640 |
2,407 |
2,390 |
2,121 |
1,841 |
799 |
区間距離(km) |
1.3 |
1.9 |
0.3 |
1.0 |
1.0 |
0.3 |
1.9 |
1.3 |
9.0 |
|
累計距離(km) |
1.3 |
3.2 |
3.5 |
4.5 |
5.5 |
5.8 |
7.7 |
9.0 |
||
着時刻 |
8:10 |
9:19 |
10:26 |
10:40 |
11:43 |
13:02 |
13:10 |
14:02 |
14:42 |
6:20 |
発時刻 |
8:22 |
9:24 |
10:30 |
10:40 |
12:21 |
13:02 |
13:16 |
14:05 |
15:30 |
|
区間タイム |
0:57 |
1:02 |
0:10 |
1:03 |
0:41 |
0:08 |
0:46 |
0:37 |
5:24 |
|
区間タイム小計 |
0:57 |
1:02 |
1:13 |
0:49 |
0:46 |
0:37 |
||||
所要時間累計 |
0:57 |
1:59 |
2:09 |
3:12 |
3:53 |
4:01 |
4:47 |
5:24 |
||
標準タイム |
0:50 |
1:20 |
1:30 |
1:00 |
0:50 |
0:30 |
6:00 |
|||
標準タイム累計 |
0:50 |
2:10 |
3:40 |
4:40 |
5:30 |
6:00 |
||||
歩行速度(km/h) |
1.4 |
1.8 |
1.7 |
1.0 |
1.5 |
2.2 |
2.4 |
2.1 |
1.7 |
・標準タイムは、JTBパブリッシング「関東の山Best100」のタイムを採用。
・渋ノ湯−八方台分岐の区間が、登り・下りともにオーバー。
いくら雪道でアイゼン着脱もあったとは言え、特に、下りは誰もついて来れないスピードだったので、標準タイムがおかしいと思われる。
・休憩は時刻を緑字で表記。大休止は太字。
稜線に出てから(中山峠以降)の傾斜がきつかった。
【はじめに】
11月には、冬に備えて、12本爪アイゼンとスタッドレスタイヤ用ホイールを新調(車を変えた為)。
これで、行き先の制約は大幅に軽減された。
せっかくなので、両方活かせる山が良い。
というわけで、各地の雪の状況を調べてみると、北八ヶ岳辺りが良さそうだ。
YAMAKEI ONLINEの「現地最新情報」で見ると、
・小屋までなら軽アイゼンで可。
・稜線を歩くなら、前爪付きのアイゼンが必要。
・ストックが必要(ピッケルが必要とは書いてない)。
という感じで、筆者の装備にちょうど良い。
アプローチのほうはというと、渋ノ湯の標高が1800m以上と高いことで、積雪や凍結が予想されるが、バス定期便が走っていることもあり、除雪がされるはず。
よほどのことがない限り、四駆+スタッドレスがあれば充分だ。
さて、問題は天気だ。
金曜夜には低気圧が東の海上に抜け、高気圧が張り出して冬型になりそうなのだが、高気圧はかなり北に偏っている。
北西風が強そうなので、八ヶ岳は山頂部に雲がかかると読んだ。
実際の天気図はこんな感じ。tenki.jp
当初行く予定だった土曜日は見送り、自宅停滞してライブカメラで八ヶ岳を監視。
予想通り、下界は晴れているが、八ヶ岳山頂部には雲がかかっていた。
読みが当たった!!!
これは過去の経験則が活きた例である。
1/28に飯盛山へ行った時にも、下界は晴れても、八ヶ岳は見えなかったのだ。
移動性高気圧がやってきて、広く日本列島を覆うようなので、日曜日のほうが天気は良さそうだ。
実際の天気図はこんな感じ。tenki.jp
【これより本題】
起床は4:00。
朝食を済ませたら、出発だ。
八王子を6時頃通過。
紅葉シーズンも終わり、道は空いている。
笹子トンネルを抜けたら、素晴らしい景色が出迎えてくれた。
白峰三山(農鳥岳・間ノ岳・北岳)モルゲンロート。感動ものだ。
甲斐駒ヶ岳もモルゲンロート。
これから向かう八ヶ岳もご覧の通り。見えているのは南八ヶ岳だ。
鳳凰三山(薬師岳・観音岳・地蔵岳)もピンクに染まる。
山に登らなくても、毎日こんな景色が見えてしまうなんて、山梨県人は幸せ者だ。
渋ノ湯へのルートは意外に北から入るようで、蓼科山が間近に見える辺りから山に向かう。
アイスバーンと化した山道を苦もなく登り、渋ノ湯に到着。
さすがに四駆は安定感抜群で、VDCが作動することもなかった。
渋御殿湯の駐車場に駐める。
料金は1,000円/日也。(ちょっと高いが、他に選択肢はない)
気温は−10℃以下。
風がないので、寒くはない。
転倒に気をつけて慎重に進む。
橋の向こうの建物が、渋御殿湯だ。
バス停の先の除雪されていないところは、こんな感じ。
はじめから雪道。。
登山届を提出したら、橋を渡って出発。
渡ってすぐ分岐になっているので、右の黒百合ヒュッテ方面に向かう。
ちなみに左は高見石方面。
こんな感じなので、いきなりアイゼンを装着することにした。
気温が低いので、カチカチに凍っている。
テラテラではないから、さほど滑りはしない。
八方台分岐で休憩。
金網の橋は、アイゼンの刃が挟まって歩きにくい。
青空が見えてくると、稜線が近い。
黒百合ヒュッテで休憩。
テントが一張り。
ちょっと行くとすぐに中山峠。
右折して、天狗岳に向かう。
双耳峰の天狗岳が近い。(実際は結構遠いのだが)
実は左は東天狗岳ではなく、手前の岩峰が見えている。
まだ岩が出ている。
急登も出てくる。
これがカチカチのテラテラだったら、前爪付きアイゼン+ピッケルが必須だろう。
今日は気温が上がったせいか、普通の締まった雪で、前爪に頼る場面はほとんどなかった。
踏み跡をたどっていたら、手前の岩峰の上に出てしまい、先に進めなくなり、下る場面もあったが、ようやく東天狗岳(ひがしてんぐだけ)山頂2,640mに到着。
登頂証拠写真を撮ったら、風下に陣取り、いつものカップ麺がまいう〜となるのだが。
先に来ていた人に、どこから来たか聞かれた。
「帰りは大変ですよ」とのことで、例の笹子トンネル崩落事故の話を聞き、愕然。
自宅からもメールが来ていた。
とりあえず、無事を知らせる。
細かい状況はよくわからないが、心配ばかりしていても仕方がない。
せっかく来たので、景色を楽しむことにする。
ちょっと雲が出てきたが、山頂からの景色は360°の絶景である。
ほぼ真西の乗鞍岳。
カメラに水準器が付いていないから、ちょっと傾いてしまったようだ。
穂高連峰・槍ヶ岳もクッキリ。
いつ見ても素晴らしい。
穂高・槍アップ。
北西には、鹿島槍ヶ岳・五龍岳が見つけやすい。
剱も頭だけ見えていたようだ。
蓼科山。背後には白馬岳が。
蓼科山頂上部は、丸く雪が積もっていて、白い帽子を被っているようだ。
北北西には、高妻山・火打山・妙高山。
来年には、高妻山に行きたい。
北には四阿山(あずまやさん)。
撮った順番ではないが、位置関係からここに掲載しておく。よってタイムスタンプは正しい。
四阿山の右には浅間山。
山頂がちょっと切れてしまった。液晶はダメだ。ファインダーが欲しい。
北北東には、遠く平ヶ岳・至仏山まで見えた。
新潟の平ヶ岳も来年かな。
北東には奥日光の奥白根山・男体山まで。
奥白根山も白い。皇海山・赤城山は手前の山だ。
東の奥秩父。
だいぶ雲が増えた。
南八ヶ岳の硫黄岳・赤岳・阿弥陀岳。
まだ真っ白と言うほどではなかった。
南南西には南アルプスの北岳・甲斐駒ヶ岳。
西南西には中央アルプス。
入笠山のゲレンデが見えていた。
帰りに寄るつもりの温泉が15時までと書かれていたので、のんびりもしていられない。
景色を堪能したところで、下山開始。
岩峰を巻くと、稲子岳とニュウが目の前だ。
背後に浅間山が見えている。
下りは、黒百合ヒュッテ前と八方台分岐で休憩。
なんとか温泉に間に合う時間に下山できた。
一旦車まで戻り、温泉セットを持って渋御殿湯に行く。
濁った湯が張られている、こちらの浴槽は源泉掛け流し。
冷たくて足だけ使った。
というわけで、山行は無事終了。
さぁ、後は帰るだけである。
どうやって帰ろうかと考えていたのであるが、カーナビで目的地を自宅に設定すると、勝手に上信越道経由のルートが引かれた。
VICSで笹子トンネル不通の情報が流れているのだろう。
てっきりトンネル部のみR20で迂回するものだと思っていた。
予想到着時間を見ても、通常の中央道経由と大差ないので、最短時間ルートを引いたものと考えられる。
時間は短いが、距離は長い(料金が高い)という感じだ。
白樺湖の横を抜けて北上し、佐久南ICから中部横断道に入る。
佐久小諸JCTより上信越道。
遠く所沢−練馬間で渋滞が発生している。
軽井沢の横川SAで夕食を摂り、車内で仮眠。
目覚めて走り出した時には、渋滞は解消していたが、想定外の雨が降り出した。
なんだかんだで、自宅到着は22時前だった。
【体調について】
筋肉痛 |
膝上 |
靴擦れ |
右親指裏、左右小指外側(SCARPA) |
関節痛 |
左膝外側(SCARPA) |
攣り・痙攣 |
なし |
腰痛 |
なし |
虫さされ |
なし |
急な雪面の下りは、踏ん張るため、膝に来る。
初めて膝が笑うという実感をした。
いつもは、下りでは、できるだけ踏ん張らない歩きをしているので・・・。
【カメラについて】
やはり光学ファインダーがないとダメだ。
望遠していくと、どこが写っているのかサッパリわからない。
【コスト】
費目 |
料金 |
アプローチ |
12,968 |
宿泊 |
0 |
食事 |
1,268 |
その他 |
0 |
計 |
15,236 |
帰りに遠回りしたのでアプローチコストが高い。
まぁ、命あっての物種なのだが・・・。
次は忘年山行か。
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