番外編 2011/7 ヴァリスアルプス (スイス/イタリア国境) 【その1】
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【日程】 2011年7月24日(日)
【天気】 曇り後晴れ
【メンバー】 にょーぼ
【概要】 ツェルマットから登山電車でゴルナーグラート展望台まで行き、ローデンボーデン駅からリッフェルベルク駅まで下りのハイキング
リッフェル湖(リッフェルゼー)付近から見たマッターホルン
【場所と説明】
スイス/イタリア国境に位置するヴァリスアルプス。
延々と続くヨーロッパアルプスの一部を構成する。
スイス側からは、ツェルマットが登山基地になっており、観光地でもある。
ヘルメット・ハーネス装備のクライマーと観光客がごったになった、日本でいえば上高地のようなところ。
上高地に電車が引き込まれて、軽井沢の街が引っ越したといえばわかりやすいか?
4,000m級の山が連なるヴァリスアルプスだが、ハイライトは誰でも知っているマッターホルンであろう。
【ルート】
午前は図の赤のルートを団体で。ガイド付きで約1時間のお散歩。
午後はフリータイムを利用して、二人でスネガ展望台からツェルマットまで。
地図がないので、ルートは推定である。
尚、Mont
Cervin(仏語:モン・セルヴァンと読む)と表記されているのが、マッターホルン(こちらは独語でスイス側の呼称:Matterhorn)である。
「matt」は牧草地、「horn」は山頂を意味する。
ちなみに山の反対側のイタリアではCervino(チェルビーノ)というそうな。
※この地図は、スペースシャトル地形データ「SRTM-3
Eurasia Ver2」とKASHMIR「全世界地名データVer1.0」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
地形データは、レーダーで測定した3秒メッシュ(約90m)の標高データのため、地図情報は含んでいない。
尚、地名データは位置・標高が狂っているものが多いため、Wikipedia掲載の位置情報と標高情報に基づき補正した。
また、地名未登録の山名・地名についても同様の方法で補完した。
ツェルマット駅にあった登山マップ。帰りに写したもの。
【これより本題】
前日、マイエンフェルト(ハイジランド)観光、ランドヴァッサー橋(石組造りの空中ループ橋)見物、世界遺産「氷河特急・アルブラ線(一等車)」の旅、ローヌ氷河見物を済ませた。
夕方ツェルマットに入り、駅前のホテルシュバイツァーホフに宿泊。
荷物はポーター任せで楽ちんだった。
ツェルマットは、自動車の走行が禁止されており、街中は小型電機自動車(タクシーもある)が縦横無尽に走っている。
風光明媚はもちろん、これも売りの一つだ。(騒音・排気ガスがない)
ホテルはたまたまマウンテンビューの良い部屋で、バルコニーでタバコを吸いながら、景色を楽しむ。
ちょっと雲がかかっているが、生のマッターホルンにしびれた。
ツェルマットからは、初登頂コースであるヘルンリ稜を隔てて東壁・北壁が見え、ピラミダブルな山容がよくわかるいいロケーションだ。
翌朝、モルゲンロートを期待して抜群のビューポイントまで出かけたが、雲が出てこちらはお預け。
登山電車ゴルナーグラート鉄道のツェルマット駅も至近だ。
標高差1,485mを一気に上る登山電車は、軌道の間にラックが付いており、急坂でも滑らずに走っていく。
これに乗って、終点のゴルナーグラート3,089mまで行く。
駅に着いて、早速展望台に行くと、リンプフィッシュホルン?が出迎えてくれた。
昨夜降った雨が、上では雪だったらしく、辺りは真っ白だ。
始め雲がかかっていたが、しばらく待つと、スイス最高峰モンテローザMonte Rosa 4,634mが姿を現した。
山名の由来は、「バラの山(モルゲンロートに染まった色)」説や「氷河の山」説があるそうな。
モンテローザの右にはリスカムLiscamm 4,527m。「くし」の意。氷河が見事だ。
こちらはブライトホルン Breithorn 4,164m。「白い山」の意。日本では白山!?確かに白い。
比較的容易に登れる4,000m峰で、アルプス入門の山なのだとか。
もちろん素人はガイド登山になるが、行ってみたいな。
いろいろブログで見ていると、ストックだけで行っている人も居れば、アイゼン・ピッケル・ロープ装備で行っている人も居る。
時期や雪の状態で変わるようだ。
この辺りはガイドから指示されるみたい。
山道具については、ツェルマットのスポーツ用品店でレンタル可能だ。
集合時間ぎりぎりまでゴルナーグラートで粘っていたが、とうとうマッターホルンは見えず。
下りのハイキング中に見えることを期待して下山開始。
まず電車でローテンボーデン駅まで戻り、そこからハイキングスタート。
山岳ガイド(日本人だった)が付いて、いろいろ説明をしてくれる。
個人ではなかなか頼めないから、団体の良いところかも。
花がたくさん咲いていて、名前も全部教えてくれたが、多くの花に和名が付いており、それらは固有種ではないようだ。
リッフェルゼーという湖(ゼー:see)には、逆さマッターホルンが映ることで有名なのだが、雲がかかっていると何も映らない。
リッフェルゼーの横には、岩山のリッフェルホルン Riffelhorn 2,928m。
マッターホルンに登る際は、リッフェルホルンとブライトホルンをガイドと一緒に登って、技量や体調が試され、合格した者のみがマッターホルンに挑むことが許されるとか。
リッフェルホルンは岩山なので、ハーネスやカラビナの使い方は当然熟知して(というより考えずに自動的に手が動く)いる必要がある。
難度としてはIV級相当で、マッターホルンのIII級(一部IV級)より厳しい位らしいが、マッターホルンは技術だけでなく体力(特に上半身の)も必要だ。
いずれにしても、筆者には荷が重いということのようだ。
登攀ルートは、写真で見る限り裏側らしい。
ちなみにブライトホルンの方は、高地順応がメインで体調確認が主、技術的には普通の山だ。
ウンターリッフェルゼーから見たモンテローザ・リスカム
歩いているうちに雲がとれ、とうとうマッターホルン Matterhorn 4,478mが姿を見せてくれた。
感動の一瞬。
この位置からは東壁が見えている。この時期もうちょっと岩肌が出ているはずだが、昨夜の雪が新たに着いたのだろう。
これだけ雪が着いてしまうと、登攀難易度は高くなるはず。
写真の日付「/2」の上辺りにヘルンリヒュッテ(3,260m)があるのがわかるだろうか?(ちょっと小さいかな)
ここに泊まって日帰りで山頂ピストンするのが一般的なのだとか。
かなり急な登りであることがわかる。
標高4,003mにあるソルヴェイヒュッテはわからなかった。
左からリンプフィッシュホルン Rimpfischhorn 4,199m・シュトラールホルン Strahlhorn 4,190m・モンテローザ・リスカム。
素晴らしい眺望だ。
日本ではあまり見かけない花。
名前は失念。
有名なエーデルワイス。
後ピンだった(^^;
マッター谷を隔てて見えた真っ白な三角錐はヴァイスホルンか?
こちらもカッコ良い。
リッフェルベルク駅まで歩いたら、ツェルマット駅まで電車で戻る。
駅にあったヴァリスアルプス案内図。
この後食事をしたら、団体行動は終了。
自由時間となる。
せっかく天気が良いので、次はスネガ展望台に行くことにする。
(スネガ展望台 に続く)
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