番外編 2011/7 ベルナー・オーバーラント山群 (スイス)
(ヴァリスアルプスより続く)
(Homeへ)
【日程】 2011年7月26日(月)
【天気】 晴れ後曇りのち時々雨
【メンバー】 にょーぼ
【概要】 1.グリンデルワルドから登山電車を乗り継ぎ、ユングフラウヨッホのスフィンクス展望台まで。
帰りはアイガーグレッチャー駅からクライネ・シャイデック駅まで下りのハイキング
2.クライネ・シャイデック駅から登山電車でラウター谷底のラウターブルンネン駅まで行き、ロープウェイでグリュッチアルプへ。
電車に乗り換えミューレン駅まで。徒歩でロープウェイのミューレン駅へ。
再びロープウェイでシルトホルン展望台へ。
帰りはミューレンからギンメルヴァルトまでロープウェイで下り、ロープウェイを乗り継いで谷底のシュッテヘルベルクまで。
そこからはバスでグリンデルワルドまで戻った。
スフィンクス展望台よりメンヒ
【場所と説明】
スイス中央南部に位置するベルナーオーバーラント山群。
なかでもユングフラウ、メンヒ、アイガーの3山が有名だ。
ここもヨーロッパアルプスの一部で、ベルンアルプスまたはベルナーアルプス(Bernese Alps)とも呼ばれる。
ヴァレー州とベルン州の州境に位置する。
ユングフラウとメンヒの鞍部ユングフラウヨッホ(ヨッホは肩を意味する)にはスフィンクス展望台があり、そこまで電車で行くことができる。
(標高3,454mとヨーロッパで最も高い鉄道駅)
この電車はアイガーとメンヒをトンネルで貫いており、途中駅アイガーヴァントEigerwand(アイガーの壁)・アイスメーアEismeer(氷の海)では、上り電車のみ見物のための停車がある。
アイガーヴァント駅からは、アイガー北壁の内側からガラス窓越しに切り立った崖を眺めることができる。
また、アイスメーア駅からは、氷河を眺めることができる。
アプローチは、インターラーケンからとなるが、更に奥深くアイガー北壁の直下にあるグリンデルワルトまで入り込んでおけば、景色もアクセスも良い。
ここは全てスイス国内にあり、ドイツ語圏だ。
Grindelwaldはドイツ語では「グリンデルヴァルト」と読むところ、「グリンデルワルト」となるのはこの地方の人の発音によるらしい。
方言のようなものか?
この村は、日本の旧安曇村(現松本市)と姉妹都市なのだそうだ。
【ルート】
午前は図の青のルートを電車で上り、ユングフラウヨッホ観光。
その後、電車でアイガーグレッチャー駅まで下り、クライネ・シャイデック駅まで、団体ハイキング。(赤のルート)
女子大生のガイド付きで約1時間のお散歩。
午後はフリータイムを利用して、オプションツアーで、クライネ・シャイデック駅から007撮影地のシルトホルン展望台まで。(緑のルート)
このツアーは、電車・ロープウェイ・徒歩・電車・ロープウェイ・ロープウェイ・ロープウェイ・バスと乗り継ぎが多く、自力では厳しかっただろう。
ガイドが付いていたので、楽しく行って来られた。(ハイキングと同じガイド)
・先ずは電車でラウター谷底のラウターブルンネンまで。
・ロープウェイ+電車のセットでミューレンまで。
・徒歩でロープウェイのミューレン駅まで。
・ロープウェイでシルトホルン往復。
・ミューレン駅から別のロープウェイでギンマーワルトへ。
・ロープウェイを乗り継いで、谷底のシュテッヘルベルクへ。
・バスで谷を迂回してグリンデルワルトへ。
地図がないので、ルートは推定である。
※この地図は、スペースシャトル地形データ「SRTM-3
Eurasia Ver2」とKASHMIR「全世界地名データVer1.0」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
地形データは、レーダーで測定した3秒メッシュ(約90m)の標高データのため、地図情報は含んでいない。
また一部データ欠落があり、正しく表示されない部分がある。(上図ではユングフラウ辺りがおかしくなっている)
尚、地名データは位置・標高が狂っているものが多いため、Wikipedia掲載の位置情報と標高情報に基づき補正した。
また、地名未登録の山名・地名についても同様の方法で補完した。
地名表記では、KASHMIR 3D上でのドイツ語のウムラウトの表示方法がわからないので、ウムラウトは省略している。
(例えば、本来メンヒMonchのoにはウムラウトが付いておりMönchが正しい)
ラウターブルンネン駅にあった案内図。シルトホルンに向かう途中で写したもの。
【はじめに】
前日は、モン・ブラン観光だったのだが、ロープウェイでエギーユ・デュ・ミディに上がったら、なんとガスガス。
シャモニーでは見えていたのに。。。残念だった。
下の写真がエギーユ・デュ・ミディ Aiguille Du Midi 3,842mだ。
今回の最高到達点。富士山より高い。
ちなみに、正午の針を意味するそうな。(フランス語)
シャモニーから見て、正午になると真上に太陽が来るということらしい。
尖峰の上に、針のように立つ塔が見えるだろうか。
ここからのモン・ブランは絶景なのだが・・・。
ちなみにモン・ブランMont Blanc4,811mは、西ヨーロッパ(ヨーロッパアルプス)最高峰。
仏伊国境にあり、フランス側の呼称だ。
意味は「Mont」がMountain(Mt.)、「Blanc」がWhiteで、日本でいえばさしずめ「白山」である。
洋の東西で似たような呼称をつけるところがおもしろい。
イタリア側の呼称も、Monte Biancoと、これまた白山なのである。
その後、ジャズフェスで有名なモントルーをかすめ、レマン湖畔の世界遺産ラヴォー地区葡萄畑見学。
インターラーケンで夕食後、ユングフラウを見ることができた。
これは幸先良いぞ。
泊まりはグリンデルワルトである。
バスの中から、アイガーが大きくのしかかってくるのが見えた。
アイガー北壁直下の村・グリンデルワルトは、スイスで最も日本人比率が高いところなのだとか。
北壁最短直登ルートは、日本人が夏期における世界初直登したことで知られ、新田次郎著「アイガー北壁」を読んだ人も多いだろう。
そういった縁も関係しているのかも知れない。
ホテルは駅前のセントラル・ヴォルターホテル。
今回の部屋は生憎マウンテンビューではなかった。(不公平にならないように部屋割りされている)
【これより本題】
朝ホテルの外に出てみると、まずまずの天気である。
今日は期待できそう。
目の前にアイガーが大きく聳えている。
この町が日本人に好まれる理由の一つであろう。
グリンデルワルト駅にはインターラーケンからの電車が停まっていた。
一番左側のホームからクライン・シャイデック行きの電車が発車する。
ヴェンゲルンアルプ鉄道で出発。
アイガーに向かって電車は進む。
グリンデルワルト方面を振り返る。
車窓からユングフラウが見えた。素晴らしい景色に歓声が上がる。
クライネ・シャイデック駅に到着。(小さな峠の意)
メンヒとユングフラウが出迎えてくれる。
ここからでもなかなかの景色である。
鞍部の左側のちょっと雪が少なくなっている突起がユングフラウヨッホである。
これからあそこまで行くのだ。
こちらはアイガー。
これが有名な北壁で、山頂には雲がかかっている。
セントバーナードは人気者。
首にはちゃんと気付け用ウィスキーが入った樽をつけている。
(中身が本当に入っているかは謎だが)
ユングフラウ鉄道に乗り換え、ユングフラウヨッホに向かう。
車窓からはユングフラウが美しい。(ユングフラウ=乙女が美しいのは当たり前か??)
こちらが午後から行くラウターブルンネン方面だ。
ちょうど赤い電車が見えている。
シルトホルンは右側の山の陰か?
更に高度を上げると、シルトホルンらしき山(左の白い山)が見えてきた。
ユングフラウには、かなりの雪が着いている。
この後、いよいよトンネルに突入。アイガーの内部に入っていく。
アイガーヴァント駅Eigerwand 2,864mでは、北壁に開けた窓から外を見ることができる。(アイガー山中のトンネル内の駅)
ガラス張りでも、高度感がすごい。
ここを登る人がいるのだから、恐れ入る。
アイスメア駅Eismeer 3,160mでも一時停車。(ここもトンネル内の駅)
氷河が真正面に見える。
その名の通り、氷の海だ。
ようやくユングフラウヨッホ駅 3,154mに到着。
早速スフィンクス展望台に登ると、ユングフラウJungfrau
4,158mがガラス越しに見えた。
外の展望台に出ると、メンヒMönch 4,107mが目の前にドーン。
大アレッチ氷河が雄大だ。
氷河の合流地点では、氷が削り取った岩で、黒く縞ができているのがわかる。
メンヒの雲がとれた。
山頂までクッキリ。
アイスパレスを通って、プラトーテラスへ。
プラトーテラスよりメンヒ。ここからならすぐに登れそうに見えるが・・・。
プラトーテラスよりユングフラウ。
ユングフラウヨッホ観光が終わったら、電車でアイガーグレッチャー駅Eigergletscher (アイガー氷河の意)まで戻り、一駅分のハイキングを楽しむ。
イワギキョウのような花。
お花畑。
日本ではあまり見かけない花。
ワタスゲ。
ハイキング後、クライネ・シャイデック駅で食事をしたら解散。
自由時間となる。
この時間を利用して、前述のように、オプショナルツアーでシルトホルンに向かう。
再びヴェンゲルンアルプ鉄道で、今度は反対側のラウターブルンネン方面へ進む。
谷底の町ラウターブルンネン近辺にはたくさんの滝が流れ落ちている。
写真に写っているのが、シュタウプバッハの滝で、落差が大きいため、途中で水が拡散してしまい、滝壺がないのが特徴だ。
この崖をロープウェイで上っていき、上部を左に電車で進む。
ミューレンに着いたら、少し歩いてロープウェイのミューレン駅まで移動。
ここからシルトホルンまでは一気だ。
女王陛下の007撮影場所だったシルトホルンの回転展望台レストランだが、生憎ガスガスで何も見えなかった。
ここからのユングフラウの景観に期待していたのだが、残念だった。
本来ならこんな感じだったはず。
出展:シルトホルンケーブルウェイHP
翌朝出発前に、グリンデルワルトより朝日の当たるアイガー北壁を眺める。
車窓からアイガーの見納め。(窓の水滴は直前まで降っていた雨)
車窓からユングフラウの見納め。
これで今回の目的の本場アルプス観光は終了である。
後は、一般観光として、
・ベルン観光(バラ公園・旧市街・ミュンスター大聖堂・アインシュタイン住居・サムソンの噴水・時計塔)
・ルツェルン観光(ライオン記念碑・カペル橋・イエズス教会・ゲーテが滞在したホテル・シュプロイアー橋)
・チューリッヒ観光(フラウミュンスター聖堂・チューリッヒ湖)
を済ませ、帰国の途についた。
というわけで、見たい山はそこそこ見ることができ、成果は2勝1敗1分けくらいか?
なかなか行く機会はないだろうが、一度は本場アルプス4000m峰に登ってみたいと考える今日この頃である。
(Homeへ)