山行記録2011/8 雲の平(くものたいら) 【序章】
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【日程】 2011年8月13日(土)−8月19日(金)
【天気】 初日:晴れ後曇り、二日目:快晴(^^;、三日目:晴れ後曇り後雨、四日目:曇り後晴れ後雨
五日目:雨後曇り、六日目:曇り一時雨、七日目:曇り一時晴れ
【メンバー】 友人Y.U、会社の同僚N.I
【概要】 「折立−太郎兵衛平−薬師峠(テン泊)」
「薬師峠−薬師平−薬師岳(ピストン)(テン泊)」
「薬師峠−太郎山−北ノ俣岳−赤木岳−黒部五郎岳−黒部五郎小舎(テン泊)」
「黒部五郎小舎−三俣山荘−三俣蓮華岳−三俣山荘(テン泊)」
「三俣山荘−鷲羽岳−ワリモ岳−赤岳−水晶小屋−水晶岳−水晶小屋−ワリモ北分岐−祖父岳−雲の平(テン泊)」
「雲の平−高天原小屋−高天原温泉(ピストン)(テン泊)」
「雲の平−薬師沢小屋−太郎兵衛平−折立」
最高到達点標高2,986m、歩行距離73.6km、標高差1,658m、累積標高差+5,764m−5,764m
歩行時間40時間、所要時間57時間
薬師岳避難小屋跡ピークより槍ヶ岳
【場所・概要】
北アルプスのど真ん中。
富山・岐阜・長野県境近辺にあり、今回歩いた山域は富山県からは出ていない。
(稜線歩きは県境歩きだった)
当然どこから入ってもアプローチが長くなる雲の平は、日本最奥の楽園とも呼ばれる。
周囲に薬師岳・黒部五郎岳・鷲羽岳・水晶岳と4つの日本百名山を配し、景色も期待大。
もちろんど真ん中だから、ピークに登れば、北アルプスの山は全部見える位置関係だ。
また、秘湯「高天原温泉」もこの山域にあり、楽しみの一つである。
カシバードで見た今回のルート。
位置関係は下図のようになっている。
(右上の烏帽子岳の先には後立山連峰、中央上部の薬師岳の先には立山・剱岳が連なる)
【ルート】
折立から入山し、薬師岳を済ませたら、県境尾根を縦走して黒部五郎岳・三俣蓮華岳・鷲羽岳水晶岳へ。
その後、雲の平に下りて、ついでに温泉もゲット。
折立まで戻るという長大なルートだ。
なかなか行けるところではないので、欲張りなルートなのだが、無体力の筆者としては、テント山行(荷物が重い)ということもあり、余裕をもった日程とコースを組んだ。
※この地図は、国土地理院測量結果「数値地図12500(地図画像・・・Web閲覧サービス゛「ウォッちず12500」)」「数値地図50mメッシュ(標高)」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
以下、本文中に掲載のカシバード画像も同様。休憩地点は、小屋・ピークと白四角の地点だ。
実際のコースとはちょっと違うが、初期計画時のルートの断面図はこの通り、長大且つ高低差が激しいものである。
【はじめに】
いよいよ夏休み。
今年は節電の絡みもあり、二回目の夏休みである。
かねてから計画していた長期山行を実行に移すときが来たのである。
一回目は家族サービスしたので、二回目はフルに山行に費やす計画だ。
当初の計画では七泊八日のテント泊縦走ということで、ネックになるのは食料だ。
相棒がいろいろ検討して食料軽量化に取り組んでくれたのだが、それでもなんだかんだで普段より5kgは重い。
20kg超の荷物を担いで果たして最後までもつか?
不安を抱えながら望むことになった。
念のため、ブログなどで先人の記録をチェックしてみると、テント泊でも三泊や四泊で行っている人が多い。
もちろん、一部の強者を除き、我々のような欲張りはせず、2〜3回に分けて行くところのようではある。
無体力を自認している筆者としては、日程の余裕でカバーすることにする。
ただ、テン場の位置の関係で、どうしても頑張らなければならない区間は避けられない。
いろいろ検討した結果、きつい日と比較的楽な日を交互に組み合わせるプランが完成した。
「楽な日」とは、テン場に連泊して、サブザックでピストンする日程を指す。
テントや不要な荷物は置いていけるから、身軽に山を楽しめるということだ。
事前にできることをしてしまったら、後は野となれ、山となれ。
行ってしまえば何とかなるだろう??
天気の方だが、今年は梅雨明け後もイマイチの天気が続いていたようで(海外に行っていたので詳しくは知らないが)、ちょっと心配である。
直前になっても、不安定な天候で、毎日あちこちで雷雨が発生している。
天気予報でもスカッと晴れる感じではない。
まぁ、平年通りだとしても、一週間も山に行っていれば、ずっと晴れが続くということもあり得ないだろう。と、覚悟を決めた。
日程的には夏休みをフルフルで使い切る計画なので、天候に合わせて変更する余地はほぼないのであった。
(台風でも来れば別だけどね)
またアプローチも問題だ。
とにかく遠いのである。
当初折立まで富山経由で行くしかないと思っていたのだが、Y.U.が新穂高側からの林道ルートがあることを知っていたおかげで多少は短縮できそうだ。
1,000円高速がなくなった今、これは大いにコスト節約・時間短縮に貢献する。
しかし、前述の不安定な天気のせいで、上高地付近で土砂崩れによる幹線道不通や、林道不通が発生していた。
幸いこれらはいずれも復旧し、直前の確認でも問題なく通行できそうである。
念のため、林道不通時に備えて飛越トンネルからの入山ルートも予備プランとして用意し、万全を期して当日を迎えることができた。
さて、出発は8/12(金)の夜である。
相棒は仕事なので、深夜に八王子で拾って、中央道に乗り入れるが、小仏トンネルまでは渋滞。
土曜日が夏休み初日ということもあり、車の量が多い。
それでもまあまあ流れていたのだが、勝沼の先で事故渋滞が発生。
渋滞がどんどん伸びている。
回避するために、勝沼ICから甲府昭和ICまでR20で迂回。
信号が多く決して早くはないが、渋滞よりはるかにマシである。
余分に時間がかかってしまったが、その後は順調に流れた。
松本ICから上高地線(野麦街道)を走り、有料の安房トンネルを抜け、平湯温泉からR471へ。
奥飛騨温泉郷上宝の道の駅まで移動し、車中で仮眠して、早朝発とする。
本来なら登山口まで行っておきたいところであるが、折立へのアプローチに使う有峰林道は夜間通行止めになっている。
6時のゲートオープンに合わせ、5時前に起きた。
意外に林道入り口が遠く、オープン時間には間に合わなかった。
折立到着は7:00頃。
なんと駐車場が満杯らしく、新折立トンネルの途中で渋滞。
仕方なく、Uターンして、トンネル手前の路肩に駐める。
準備をして登山口のある折立着は7:30頃だったか。
さすが夏休み初日、かなりの人が入っている。
ここってこんなにメジャーだったっけ??
これはテン場も満杯に違いない。
キャンプ場でトイレを済ませ、給水して、最終準備完了。
なんとここの水は生では飲めないと書かれている。
携帯浄水器が活躍。
飲み水の確保ができた。
【総コスト】
用途 |
費用 |
アプローチ |
9,158 |
宿泊 |
3,000 |
食事 |
14,879 |
その他 |
5,180 |
計 |
32,217 |
さすがにコストがかさんだ。
食費がびっくりって感じだが、1日当たりにすれば安いものかも・・・。
(初日に続く)
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