山行記録 槍ヶ岳 (やりがたけ)
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【日程】 2013年9月21日(土)−9月23日(月)
【天気】 晴後曇り(22日)
【メンバー】 Y.U
【概要】 初日 :「上高地−明神−徳沢−横尾−ババ平(テン泊)」
二日目
:「ババ平−大曲−水俣乗越−東鎌尾根−槍ヶ岳−槍沢−天狗原(ピストン)−ババ平(テン泊)」
三日目
:「ババ平−横尾−徳沢−明神−上高地」
最高到達点標高3,180m、歩行距離40.8km、標高差1,673m、累積標高差+2,397m−2,397m
歩行時間15:31、所要時間19:51
東鎌尾根より槍ヶ岳と北鎌尾根(右端が独標)
【場所】
北アルプス南部、岐阜・長野県境に位置する。
奥まったところにあるため、どこから入ってもアプローチに相当する部分が長く、ロングコースになってしまう。
【ルート】
上高地から槍沢へ進み、直進しないで水俣乗越から東鎌尾根経由で槍ヶ岳へ。
帰りは天狗原に寄り道して、天狗池に映る逆さ槍ヶ岳を見るという楽しみもある。
こちらは、体調次第。余裕がなければスキップ可能なプランだ。
実は、槍の帰りに大喰岳・中岳・南岳という3,000m峰を巡って天狗原に出るルートも検討したが、所要時間がかかりすぎるのと、南岳からの下りの道が悪いと言うことで、今回のコースに落ち着いた。
※この地図は、国土地理院測量結果「電子国土9000・・・Web閲覧サービス」「日本高密メッシュ(10mメッシュ標高)」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
以下、本文中に掲載のカシバード画像も同様。休憩地点は、白丸と白ピーク・小屋だ。
【所要時間】
【初日】
場所 |
上高地 |
明神 |
徳沢 |
横尾 |
一ノ俣 |
槍沢 ロッジ |
ババ平 |
計 |
標高(m) |
1,507 |
1,531 |
1,578 |
1,620 |
1,705 |
1,818 |
1,997 |
487 |
区間距離(km) |
3.3 |
3.1 |
3.6 |
2.5 |
1.5 |
0.9 |
14.8 |
|
累計距離(km) |
3.3 |
6.3 |
10.0 |
12.5 |
13.9 |
14.8 |
||
着時刻 |
5:43 |
6:28 |
7:16 |
8:17 |
9:14 |
9:55 |
10:44 |
5:01 |
発時刻 |
5:43 |
6:35 |
7:25 |
8:32 |
9:23 |
10:09 |
- |
|
区間タイム |
0:45 |
0:41 |
0:52 |
0:42 |
0:32 |
0:35 |
4:07 |
|
区間タイム小計 |
0:45 |
0:41 |
0:52 |
0:42 |
0:32 |
0:35 |
||
歩行時間累計 |
0:45 |
1:26 |
2:18 |
3:00 |
3:32 |
4:07 |
||
標準タイム |
0:50 |
1:00 |
1:10 |
1:00 |
0:40 |
0:35 |
5:15 |
|
標準タイム累計 |
0:50 |
1:50 |
3:00 |
4:00 |
4:40 |
5:15 |
||
歩行速度(km/h) |
4.4 |
4.5 |
4.2 |
3.6 |
2.8 |
1.5 |
3.6 |
【二日目】
場所 |
ババ平 |
大曲 |
休憩 |
水俣 乗越 |
休憩 |
ヒュッテ 大槍 |
槍ヶ岳 山荘 |
槍ヶ岳 |
槍ヶ岳 山荘 |
天狗原 分岐 |
天狗池 |
天狗原 分岐 |
大曲 |
ババ平 |
計 |
標高(m) |
1,994 |
2,085 |
2,270 |
2,471 |
2,679 |
2,869 |
3,080 |
3,180 |
3,080 |
2,349 |
2,507 |
2,349 |
2,085 |
1,994 |
1,186 |
区間距離(km) |
1.0 |
0.5 |
0.4 |
1.0 |
0.7 |
1.0 |
0.2 |
0.2 |
2.3 |
0.9 |
0.9 |
1.1 |
1.0 |
11.2 |
|
累計距離(km) |
1.0 |
1.5 |
1.9 |
2.9 |
3.5 |
4.5 |
4.7 |
4.9 |
7.2 |
8.1 |
9.1 |
10.1 |
11.2 |
||
着時刻 |
- |
5:55 |
6:28 |
6:58 |
7:47 |
8:42 |
9:26 |
10:22 |
10:53 |
12:58 |
13:41 |
14:31 |
15:05 |
15:37 |
10:06 |
発時刻 |
5:31 |
5:57 |
6:34 |
7:13 |
7:52 |
8:51 |
9:48 |
10:35 |
11:35 |
13:06 |
14:04 |
14:36 |
15:15 |
- |
|
区間タイム |
0:24 |
0:31 |
0:24 |
0:34 |
0:50 |
0:35 |
0:34 |
0:18 |
1:23 |
0:35 |
0:27 |
0:29 |
0:22 |
7:26 |
|
区間タイム小計 |
0:24 |
0:55 |
1:24 |
0:35 |
0:34 |
0:18 |
1:23 |
0:35 |
0:27 |
0:29 |
0:22 |
||||
歩行時間累計 |
0:24 |
0:55 |
1:19 |
1:53 |
2:43 |
3:18 |
3:52 |
4:10 |
5:33 |
6:08 |
6:35 |
7:04 |
7:26 |
||
標準タイム |
0:25 |
1:15 |
2:00 |
0:40 |
0:30 |
0:30 |
1:35 |
*0:40 |
*0:25 |
0:40 |
0:20 |
9:00 |
|||
標準タイム累計 |
0:25 |
1:40 |
3:40 |
4:20 |
4:50 |
5:20 |
6:55 |
7:35 |
8:00 |
8:40 |
9:00 |
||||
歩行速度(km/h) |
2.6 |
0.9 |
1.0 |
1.7 |
0.8 |
1.7 |
0.3 |
0.6 |
1.7 |
1.6 |
2.0 |
2.2 |
2.8 |
1.5 |
【三日目】
場所 |
ババ平 |
槍沢 ロッジ |
一ノ俣 |
横尾 |
徳沢 |
明神 |
上高地 |
計 |
標高(m) |
1,994 |
1,818 |
1,705 |
1,620 |
1,578 |
1,531 |
1,507 |
-487 |
区間距離(km) |
0.9 |
1.5 |
2.5 |
3.6 |
3.1 |
3.3 |
14.8 |
|
累計距離(km) |
0.9 |
2.4 |
4.9 |
8.5 |
11.6 |
14.8 |
||
着時刻 |
- |
6:42 |
7:18 |
8:09 |
9:10 |
10:09 |
11:03 |
4:44 |
発時刻 |
6:19 |
6:48 |
7:26 |
8:19 |
9:25 |
10:16 |
11:15 |
|
区間タイム |
0:23 |
0:30 |
0:43 |
0:51 |
0:44 |
0:47 |
3:58 |
|
区間タイム小計 |
0:23 |
0:30 |
0:43 |
0:51 |
0:44 |
0:47 |
||
歩行時間累計 |
0:23 |
0:53 |
1:36 |
2:27 |
3:11 |
3:58 |
||
標準タイム |
0:25 |
0:30 |
0:50 |
1:10 |
1:00 |
0:50 |
4:45 |
|
標準タイム累計 |
0:25 |
0:55 |
1:45 |
2:55 |
3:55 |
4:45 |
||
歩行速度(km/h) |
2.3 |
3.0 |
3.5 |
4.3 |
4.2 |
4.2 |
3.7 |
・標準タイムはヤマケイJOY2005年夏号付録「北・南アルプスマップ」記載のタイムを採用。
・初日と三日目は、平地歩行でつまらない。
皆さん、鬼のような早足で歩いている。
さすがに荷物が重い分、付き合いきれない感じだが、標準タイムには収まった。
大休止はなし。
・槍ヶ岳への二日目は、軽装ということもあって、東鎌尾根は絶好調。
槍の穂先へは渋滞の影響で時間がかかっているが、下りはあっという間。
天狗池については、標準タイム自体が推定値のため参考。
・休憩は時刻を緑字で表記。大休止は太字。
初日と三日目の上高地−ババ平間は、ほぼ平坦な道で、アプローチの範疇か。
面倒なので、横尾まで地下鉄(景観を損ねない)でも通して欲しい。
二日目はようやく山登り。
朝の元気なうちに、水俣乗越への急登を済ませてしまうのがポイント。
後はそれほどきついところはなく、東鎌尾根を楽しめる。
槍沢の下りは、一様の下りがひたすら続く。
【はじめに】
槍ヶ岳はどうもケチが付いており、今までに二回敗退の憂き目に遭っている。
一回目は、表銀座縦走中に突然台風が発生・接近し、西岳で断念。
エスケープルートである水俣乗越から槍沢に下り、帰路についたのだった。
この時は結局台風が逸れ、一日停滞すれば行けたかも知れない。
ただ、それは結果オーライというだけで、リスクを伴うものであったはずだ。
二回目は昨年で、新穂高から双六・西鎌尾根経由で槍を目指したが、どこにも着かないうちに足の痙攣で撤退。
自信喪失である。
これは比較的最近ということもあって、まだ心の傷が癒えていないし、体力面の不安も解消されていない。
唯一の拠り所は、今夏の易老渡から易老岳への登りに耐えたことである。
この5時間も続く急登は、ある程度自信を回復してくれた。(軽量化したとはいえ、泊まり装備でもあった)
というわけで、今回は三回目である。
一回目の続編という趣向である。
上高地から入って槍沢から水俣乗越まで登り、そこから前回の続きを楽しもうというわけである。
利点は、ババ平をベースキャンプにできるため、重い荷物を置いていけるところだ。
しかも重い荷物を担ぐババ平までは、ほぼ平坦である。
最近体力不安が拭えない状況なのだが、これならリベンジできるのではないか?
問題は天気である。
当初、9/15からの最初の三連休で計画したが、またもや台風の接近で延期。
翌週の三連休でようやく実現となった。
天気予報では、肝心の二日目の予報が芳しくないが、贅沢は言っていられない。
木曜日夜に決行と決めた。
実際の天気図はこんな感じ。tenki.jp
さて、槍ヶ岳を知らぬ者はいるまい。
独特の尖りは、どこから見ても一目瞭然。
山頂部は「槍の穂先」とも呼ばれ、通常であれば、岩場のエキスパートのみが登れる特別な場所になるのだろう。
しかし、あまりにも有名であるが故に、そう簡単に聖域とはならなかった。
鎖が設置され、梯子が掛けられて、古くから一般登山者でも容易に登れる山となった。
おかげで自分のような者でも登ることができるというわけだ。
もちろん、あちこちルートを切り開いてきた先人の努力のおかげでもある。
そうでなければ、二泊三日という短期間でお気軽に行ける山ではないだろう。
エキスパート向けには、北鎌尾根が自然のままで残されている。
二泊といっても、夜行前泊が必要だ。
金曜日の夜、会社から帰宅して、食事をとり、風呂に入ってから出発。
23時過ぎに、相棒をピックアップして、上高地への拠点となる沢渡に向かう。
連休の混雑が心配だったが、大きな渋滞もなく、2:30頃には沢渡の足湯駐車場に到着。
車で仮眠する。
【これより本題】
起床は4:30。
周りの騒々しさに目が覚めた。
続々とタクシーが出発していく。
遅まきながら起き出して、朝食をとっていると、おじさんがやってきて駐車料金を徴収された。
実は今回足湯駐車場の中に入れず、外の駐車場に駐めていた。
ここは公営ではなく、どうやら目の前の店舗が運営しているらしいと気づく。
トイレを済ませ、準備をしたら、出発だ。
といっても、すでにできているタクシー待ちの行列に並ぶことになる。
念のため、バスの始発時刻を聞いてみると、5:30とのこと。
まだそれには時間があるので、タクシーを待つのが最短だろう。
たまたま巡り合わせでジャンボタクシーとなった。
800円/人とバスや普通車のタクシーよりもお得。
幸先良い出だしである。
上高地に着くと、あまりの人の多さにびびる。
さすが北アルプスの中でも最メジャーな場所だ。
この時間にいるのはほとんど山屋さんだろうし、どこまで行っても混雑は避けられないだろうな。。。
それと、気づいたのは、ヘルメット持参者の多さだ。
装備率は50%を越えているのではないか?
ロッククライマーがそんなに多いわけはないし、いつの間にこんなことになってしまったのだ??
そういえば、槍ヶ岳山荘のHPに「ヘルメット着用を推奨」するようなことが書かれていたっけ?
最近事故が多いのか?
それとも山道具屋さんの陰謀か?
などと考えながら、足を進める。
辿り着いた結論は以下の通り。
・最近の山ブームで初心者の槍穂に行く人が増えた。
・結果、落石を発生させる頻度が高くなった。
・それにより、事故が増えた。
・ヘルメット着用を推奨するようになった。
・雑誌で、持ち物リストにヘルが追加され、何も考えない素人が鵜呑みにして購入。
・形から入る人に受け、次第にヘルメットが流行ってきた。
あくまで予想であるが、当たらずとも遠からず って思いません?
河童橋より吊り尾根。やや霞んでいる。
焼岳モルゲンロート。良い天気だ。
皆さん、鬼のようなスピードで歩いている。
いくら平地だからといって、早すぎません?
なんか、調子が狂うっていうか、ペースがおかしくなる。
と言いつつ、順調なペースで槍沢ロッジまで到達。
この時間なら、まだ早いので、予定を変更して、今日中に殺生ヒュッテまで登ってしまって、上でテントを張る手もあるね 等と話し、結構その気になってきた。
槍沢ロッジ前からは、遥か槍の穂先が見えた。
この時はやる気満々。
殺生ヒュッテまで行くつもりになっていた。
ところがである。
ここからようやくまともな登りが始まるのだが、なぜか全く調子が出ない。
殺生ヒュッテどころか、ヘロヘロになって、やっとの事でババ平に辿り着いた。
先ほどの勢いはどこへやら。
もう、ババ平に泊まるしかない!!!
あきらめるの 早っ(^^;
テン場から見えるあの稜線が東鎌尾根だ。
明日登ることになる。
左の石垣は、旧槍沢小屋らしい。
このテン場の弱点は、小屋から30分以上とかなり離れているところ。
ビールが買えないのだ。
というわけで、食料と一緒にビールも下界で調達して持参している。
そんなものを担いでいるから、荷物が重くなるのだ!!!
幸い、時間が早いこともあって、水場近くの一等地にテントを張ることができた。
水場はテントのすぐ横(写真右奥)で、遠くの沢から延々とホースで引かれていた。
時間が早すぎて暇だ。
日が当たって暑いので、日蔭に陣取って時間をつぶす。
真っ昼間に飲むビールがまいう〜。
(水場の水の出が悪く温かいのでビールを冷やせず、ちょっとぬるかったが・・・)
おやつはフルーチェがうまかった。
晩飯は豪華焼き肉+ソーセージ。
もちろんサラダもある。
飯も軽いアルファ米ではなく、重いさとうのご飯なので、ほぼ下界並みの食事だ。
相棒が運んでくれた。(感謝!!)
さすがにまいう〜。
というわけで、一日目は無事終了。
早めに眠ってしまった。
【二日目】
今日はコースタイム約9時間の長丁場である。
しかもきつい登りが待っている。
荷物が軽いのが救いだが、念のため早めの出発だ。
テン場からちょっと下って河原の横を通ると、なんとテントの花が咲いている。
テン場が溢れてこちらにはみ出したというか、ここがそもそもババ平というべきか、壮観である。
まるで涸沢のようだ。
百張り以上あったのではないか?
水場・トイレが遠いのと、下が凸凹なのが難点だ。
河原ということで、増水時など、大丈夫なんだろうか?と他人事ながら心配になる。
大曲近くまで来ると、奥のピークが見えてくる。
モルゲンロートが美しい。
稜線上のピークだから名無しか?
大曲で槍沢に別れを告げ、水俣乗越への登りに取り付く。
本日一番の傾斜だが、朝の涼しいうちに(しかも元気なうちに)、順調に高度を稼ぐ。
すると対岸側(後を振り返る)が開け、南岳・中岳・大喰岳の3,000m峰が姿を見せる。
やっと山に来た感が出てきた。こうでなくては・・・。
赤線が帰りのルートである。ちょうど天狗原の辺りが見えていたようだ。
水俣乗越に着くと、10人ほどの人が休憩中。
表銀座縦走の人と半々位か?
裏側に裏銀座の野口五郎岳が見えた。
針ノ木・スバリ岳は黒部の山だ。まるで剱岳のように立派に見える。
振り返ると、北穂高岳の出っ張りと北穂山荘が視認できた。
北穂も3,100m位あるはず。いつか行かねば・・・。
「
いよいよ東鎌尾根歩きの始まり。
2009年・表銀座の続きである。
まずはいきなりの岩場だ。
小ピークを越えると、ようやく槍ヶ岳が見えた。この景色が東鎌尾根の醍醐味である。
大喰岳(おおばみだけ)・中岳の稜線も歩いてみたい。
紅葉も始まっている。槍に向かってGo!
梯子がバンバン出てくる。
エキスパート向けルートの北鎌尾根が美しい。
梯子を登る。
北岳の大樺沢ほどではない。
渋滞もなし。
窓の梯子を下る。
これが一番長かった。
これが窓の全景。
前穂高岳・北穂高岳がバッチリ。
だんだん雰囲気出てきた。
表銀座。
燕岳〜西岳が表銀座で、2009年に歩いたコースだ。
北鎌尾根。
梯子以外に鎖場も出てきて、一気に高度を稼ぐ。
振り返ると、下の天上沢が見えて高度感抜群。
北鎌に行く人は、水俣乗越から天上沢に入って、尾根に取り付くルートもある。
東鎌尾根全容。こうして見ると、丹沢の表尾根みたいだ。
常念岳や蝶ヶ岳が見えてくる。
谷底にはババ平も見えている。
どんどん槍が近づいてきて、気分が高揚する。
ヒュッテ大槍の前からは、後立山連峰がバッチリ。
五龍岳は角度的に見えないか?未踏の針ノ木岳は是非行っておきたい。
四阿山(あずまやさん)や浅間山もうっすら見えた。(写真を補正して見えるようになった)
本白根山はギリギリ見えていないかも?大天井岳から東天井岳・横遠岳経由で常念岳に行くプランは実現していないが、この稜線歩きも楽しそうだ。
八ヶ岳もGood!!
さすがに秋は視界が良い。
南アルプスが雄大だ。
今夏登った聖岳・光岳もバッチリ見えた。こちらから見ても、二山はずいぶん離れている。
穂高連峰もほぼ全容が姿を現す。
こうやって観ると、前穂もかなり尖っている。
ヒュッテ大槍前から、殺生ヒュッテと槍ヶ岳本体。近い!!!
この角度から見ると、北鎌尾根の険しさが際立つ。
槍ヶ岳本体を一旦トラバースして、左肩の槍ヶ岳山荘に向かう。
山荘前から槍の穂先を見上げると、渋滞しているのがわかる。
早速穂先に向かうが、すぐ渋滞にはまる。
岩場の下りに慣れていない人が多く、まともに下れないから渋滞する。
いきなり穂高や槍に来ないで、もっと修行を積んでから来てもらいたいものだ。
落石も目撃。下にいる人の顔前30cmを石が通過!!
小さな石でも、スピードが乗るから、喰らったらヤバイ!!
ロッククライマー用装備だと思っていたが、一般登山道でも、ヘルメットの必要性が高まっていることを実感した。
上からOKの合図が出たら、最後の梯子を登る。
ここは登りと下りが別なので、混雑する要素はない。
要は上が満員ということ。
ようやく槍ヶ岳山頂3,180mに到着。
ちょっと雲が出てきたが、視界は良好である。
写真の順番待ちの間、素晴らしい景色を満喫。
先ずは西南西の笠ヶ岳。
槍ヶ岳山荘はなかなか大規模なものだ。
北北西には雲の平周辺の名山。黒部五郎岳・薬師岳・鷲羽岳・水晶岳が百名山。
この辺りの主要ピークは踏破したので、残った双六に続く西鎌尾根もいつか制覇したい。
ようやく順番が回ってきて登頂証拠写真。
念願が叶った。
表銀座(大天井岳〜西岳)の後には、大天井岳から常念岳に続く稜線が。
昨秋は常念小屋から槍を眺めていた。水俣乗越から槍は見えないので、位置はおおよそのものである。
穂高連峰まで、3,000m峰が連なる。その後には、中ア(木曽駒ヶ岳)や御嶽山までバッチリ。
大喰岳・中岳・南岳も行きたかった。
下り渋滞のおかげで、山頂で比較的のんびりできた。
多少の渋滞はあったものの、下り始めたら、あっという間である。
山荘まで下ったら、余韻に浸りながらのカップ麺がまいう〜。
帰りは槍沢を下る。
カール底を形成するモレーンを下ると、天狗原への分岐がある。
トラバース気味に登っていくと、やがて天狗原に達し、小さな天狗池が現れる。
夏は雪渓に埋まっているらしく、この時期だけ姿を現すようだ。
これを逃す手はないでしょう。
先ほどから、槍ヶ岳に雲がかかっていたので、対岸の岩の上に陣取って晴れるのを待つ。
20分ほど待って、ようやく逆さ槍ヶ岳を見ることができた。
晴れていれば青空が池に映って更に素晴らしい景色になるのだろうが、贅沢は言うまい。
黄葉とカールと槍ヶ岳。なかなか良い場所だ。
後は下るだけだ。
超っ早で下って、テン場に戻る。
テントが入れ替わっていたから、槍ピストン後にテントを撤収して帰っていった人がいるということだ。
まぁ、遠くの人は少しでも上高地に近づいておいて、明日の行程を短縮したいのだろう。
さて、水場の水がふんだんに出ているので、早速ビールを冷やす。(昨日は水の出が悪く、ぬるい水だった)
冷えたところで、祝杯をあげる。
隣のテントの大阪単身赴任の方から、つまみの差し入れもあり、おいしく頂いた。
晩飯は、香るグリーンカレー他。
こちらも満足。
腹が一杯になったところで、またもや早寝である。
【三日目】
今日は帰るだけ。
朝食は鮭雑炊。
これがなかなか美味い。
横尾まで来ると、前穂高岳が青空に映えている。
もう帰ってきた気になるが、ここからが無駄に長いのだ。
徳沢園で、恒例のソフトクリームを食べてマッタリ。
その後は、明神で休憩して、ようやく河童橋。
焼岳には雲がかかっていた。
穂高連峰にも雲がかかる。
この分では槍もダメかも知れない。
良いタイミングで行ってきたと言えそうだ。
この後タクシー乗り場に行くが、相乗り客が見つからず、仕方なしにバスで沢渡へ。
空いていたのは良いが、値段は1,200円と往きの5割増し。
納得いかないなぁ。
昼飯は沢渡の杣乃屋で天ざる。
ここの蕎麦はなかなか美味い。
車に積んだ「信州蕎麦うまい店」的な本にも掲載されていて、これで二回目。
温泉は、奥穂の帰りにも行った竜島温泉。
まだ混雑する時間ではなく、快適だった。
汗を流してサッパリ。
風呂から上がったら、苺ミルクをゴクゴク。
極楽・極楽。
さて連休の最終日。
渋滞が気になる。
R158・長野道・中央道と順調に流れるが、笹子トンネルで事故渋滞7km、小仏トンネルで自然渋滞30kmだった。
高速をあきらめ、勝沼ICでR20へ。
こちらも所々渋滞があったが、抜け道を駆使して時間短縮。
それでも高尾に着いた時には、暗くなっていた。
晩飯は、八王子(高尾)の隠れ家的蕎麦の名店、手打ち蕎麦杜々に行く。
道がわかりにくく、相棒のナビゲートがなければ二度と辿り着けまい。
炙り地鶏せいろに舌鼓。
これはなかなかのものだった。
昼・晩と蕎麦が続いたが、麺喰いの筆者にとっては問題な〜し。
満足満足。
というわけで、山行は終了。
無事に感謝!!!
Y.U宅に送り、自宅に向かう。
晩飯を食っている間に、中央道の渋滞は解消しており、自宅到着は21時過ぎとまぁまぁだった。
【体調について】
筋肉痛 |
太腿、ふくらはぎ(いずれも軽微)。痛みは火曜日まで。 |
靴擦れ |
なし やはり靴下2枚重ねは有効である。 |
関節痛 |
なし |
アキレス腱痛 |
左 昨夏の赤石岳下り時に傷めたところの再発。 歩行時の痛みは一週間続いた。 押すと三週間経った今でも痛みがある。 |
攣り・痙攣 |
なし(塩飴・マグネシウムサプリ・芍薬甘草湯・KOOL’N FITスプレーが効いたか) |
腰痛 |
なし |
虫さされ |
なし(秋は良い) |
履き慣れたZamberlanが、靴擦れさえなければ、関節痛は起こりにくく有効である。
但し、重い荷物を担いだ時の足首保護が課題で、特にアキレス腱痛は大問題だ。
軽登山靴の限界か。
【コスト】
費目 |
料金 |
アプローチ |
11,349 |
宿泊 |
0 |
食事 |
5,253 |
その他 |
1,000 |
計 |
17,602 |
二人とは言え、さすがにアプローチが高い!!!
今回テン場代の回収に来なかった(^^;ゴメンね。
これで日本アルプスの百名山は完登。
中部地方では、高妻山を残すのみ。
残りの百名山は、九州3・東北10・北海道9と遠く、敷居が高い。
旅費の積み立てでもしようかな?
さぁ、次はどこへ行こうか。
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