山行記録2009/8 燕岳 (つばくろだけ)
(序章より続く)
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【日程】 2009年8月8日(土)
【天気】 曇り時々晴れ、夕方雷雨
【メンバー】 学生時代の友人U
【概要】 「中房温泉−合戦尾根−燕山荘−燕岳−燕山荘(テント泊)」
最高到達点標高2,763m、歩行距離5.9km、標高差1,310m、累積標高差1,405m−167m
燕山荘前より燕岳
【ルート】
北アルプス三大急登といわれる合戦尾根。
中房温泉から延々と1,300mの標高差を遡る。
三大急登という言葉にビビらされるが、よくよく考えてみると、この程度の標高差であれば、丹沢にもあるではないか。
実際そんなに急なイメージはなかった。
丁度いい所にベンチがあって、休憩場所には事欠かない。
※この地図は、国土地理院測量結果「数値地図12500(地図画像・・・Web閲覧サービス゛「ウォッちず12500」)」「数値地図50mメッシュ(標高)」をもとに、KASHMIR 3Dを用いて作成したもの。
以下、本文中に掲載のカシバード画像も同様。休憩地点は、小屋・山頂と白四角の地点だ。
【所要時間】
場所 |
中房温泉 |
第一ベンチ |
第二ベンチ |
第三ベンチ |
富士見ベンチ |
合戦小屋 |
2489ピーク |
燕山荘 |
燕岳 |
岩の上 |
燕山荘 |
計 |
標高(m) |
1,453 |
1,669 |
1,834 |
1,928 |
2,202 |
2,350 |
2,489 |
2,697 |
2,763 |
2,697 |
1,310 |
|
区間距離(km) |
0.6 |
0.6 |
0.4 |
0.6 |
0.5 |
0.4 |
1.2 |
0.9 |
0.8 |
5.9 |
||
累計距離(km) |
0.6 |
1.2 |
1.6 |
2.1 |
2.6 |
3.0 |
4.2 |
5.1 |
5.9 |
|||
着時刻 |
7:00 |
7:38 |
8:13 |
8:54 |
9:46 |
10:39 |
11:37 |
12:28 |
13:54 |
14:01 |
14:44 |
7:39 |
発時刻 |
7:05 |
7:45 |
8:20 |
9:06 |
10:05 |
11:05 |
11:39 |
13:11 |
13:59 |
14:10 |
||
区間タイム |
0:33 |
0:28 |
0:34 |
0:40 |
0:34 |
0:32 |
0:49 |
0:43 |
0:02 |
0:34 |
5:29 |
|
区間タイム小計 |
1:01 |
1:48 |
1:21 |
0:43 |
0:36 |
5:29 |
||||||
所要時間累計 |
0:33 |
1:01 |
1:35 |
2:15 |
2:49 |
3:21 |
4:10 |
4:53 |
4:55 |
5:29 |
||
標準タイム |
1:10 |
1:50 |
1:05 |
0:30 |
0:25 |
5:00 |
||||||
標準タイム累計 |
1:10 |
3:00 |
4:05 |
4:35 |
5:00 |
|||||||
歩行速度(km/h) |
1.0 |
1.3 |
0.6 |
0.9 |
0.9 |
0.7 |
1.5 |
1.2 |
1.3 |
1.1 |
・標準タイムはUが調べたものを採用。
・前半はほぼコースタイム通りだったが、ややなだらかになる後半がっくりペースが落ちている。(その理由は本文の中で明らかになる)
・各ベンチの場所は、推定です。
・休憩は時刻を緑字で表記。大休止は太字。
【これより本題】
6時頃、Uに起こされた。
一瞬ここはどこって感じだったが、タクシー会社の仮眠室で寝ていたのだ。
睡眠時間は約3時間。
いつものことなので、時間はどうってことない。
さっさと支度を整え、一階に下りていくと、係の人が待っていた。
Uが手続きをしている間、一服をして体を目覚めさせていく。
気になる天気であるが、山の方を見ると、どんより曇っている。
が、稜線が見えているのが救いだ。
この後どう変化するか?
中房温泉に向かうタクシーの中で、運転手さんに天気予報を聞くと、「このところすっきりしなかったが、ようやく火曜日位までは良い天気が続くようだ」とのこと。
ちょうど我々の山行日程が火曜日までである。
これは期待できるか。
実際、山にかかる雲も切れてきているようだ。
狭い道をどんどん登っていくと、小一時間で中房温泉である。
満員の一般車駐車場を横目に、タクシーはバス停兼バスの折り返し場所まで乗り入れた。
そこの自販機で飲み物を買おうとしたら、ががーん。
スポーツドリンクのペットボトルが300円もするではないか。
タクシー会社の前の自販機で買っておけば良かった。
気を取り直して、ちょっと歩くと、登山口1,462mがある。
近くの祠に安全を祈願する。
早速出発。
すぐに前の人に追いつく。
道を譲ってもらいながら進む。
この花はホツツジか?
すぐに第一ベンチ(推定1,670m)に到着。
まだ大して歩いていないが、長丁場に備えて休憩。
このルート唯一の水場があったが行かなかった。
第二ベンチ1,820mに到着。
またまた休憩。
高度を上げ、だんだん視界が開けてくる。
ほっと一息。
谷越えの稜線が美しい。
雲海だ。
標高2,000mまで行っていないと思うが、既に雲の上である。
下界は曇っているのか?
一歩一歩足を進める。
こいつは見るからに毒キノコだ。
第三ベンチ(推定1,930m)で休憩。
早くもUの顔には疲労の色が。。
赤い屋根は登山口か?
だいぶ高度を稼いだようだ。
まだ樹林帯が続く。
えぐれた登山道を行く。
下りの集団が下りてくる。
燕山荘に泊まって朝出発するとこの辺りまで来るか?
富士見ベンチ(推定2,200m)に到着。
雲海を見ながら、食事タイム。
おにぎりがまいう〜。
良く見ると、富士山が頭を覗かせていた。
まさに「富士見ベンチ」の名目躍如である。
(上の写真のどこを拡大したかわかるかな?)
混雑しているので、さっさと出発。
この辺りの岩は角が丸い。
滑らないので歩きやすい岩場だ。
合戦小屋2,350mに到着。
名物のスイカを食べてまったり。
ここは宿泊できないが、リフトで荷揚げしているので、物量豊富である。
詳しくはこちら。
たっぷり休んだので、元気に出発。。。
と思ったら、ちょっと登った所でUの足に異変が!!!!
足の筋肉が痙攣を起こしたのだ。
立っても座ってもダメということで、一旦荷物を降ろして引き返す。
一緒に登っている人達も心配そうに「テーピングならある」とか、色々親切にして頂いた。
ありがたいことだ。
しばらくの休憩で回復したので、恐る恐る歩き始める。(大幅なペースダウンも致し方あるまい)
ミヤマホツツジ?
2,489mピーク。
名無しのピークではあるが、三角点がある。
日が出て暑くなってきた。
常念岳・東天井岳辺りか?
右半分は雲の中だった。
岩の横を、隊列を組んで登る。
ダラダラとした坂を登る。
とうとう燕岳が姿を見せた。もう少しだ。
狭い所は、交互通行で安全を期す。
燕山荘(えんざんそう)が見えた。
写真ではわかりづらいが、テントも既に張られている。
青空も。。
これは良いぞ。
キンロバイ?
お花畑にガスがかかる。
テント場に到着。
どこに張ろうか?
テントを張ったら、散策だ。
ミヤマクワガタ?
このピンクの花はなんという花だろう。
稜線から見る燕岳が輝く。
600人収容の燕山荘は立派な建物だ。
早速テント泊を申し込んで、料金を支払い、幕営手形をゲット。
手形をテントに掛けておく。
燕岳をバックにパチリ。
テント場を見下ろす。
全部で30張り張れるようだが、ほぼ満席だった。
(見えない奥の斜面にもかなり張れる)
うちのテントは、下から4つ目のフォレストグリーン。
大型テントが並ぶ中、ひときわ小さく見える。
テント場の横には、トリカブトの群落があった。
こちらはハクサンフウロ?
花びらの形が微妙に違う気もするが・・・。
サブザックを持って燕岳に出発。日が当たってはいるが、風が心地よい。
砂利状の斜面は、コマクサ群落地だ。近寄れないので、望遠で撮影。
イワギキョウも咲いていた。
こちらはクルマユリ。
ゴゼンタチバナも多い。
この辺りは、奇岩とハイマツのオンパレード。
再びコマクサ。
たくさん有りすぎて、ありがたみがない位・・・。
岩の密集地帯。
なんでこんな形になるのか不思議だ。
まだ結構先だなぁ。近そうで遠い。
燕岳の先には、北燕岳が。こちらに向かう人は見かけなかった。
燕岳(つばくろだけ)山頂2,763mにて、登頂証拠写真。
続々と登ってくる。
狭い山頂は満員。
場所を明け渡し、岩の上でまったりすることにする。
こんな景色を見ていると、砂漠にでも居るような気分になる。
どこか休憩に良い岩はないかなと物色しながら下る。
岩の上に陣取り、燕山荘を眺める。
裏銀座には、ちょうど山頂の高さに雲がかかっていて、山座同定不可。
雲の間から、一瞬槍の穂先が。待っていた甲斐があった。
奇岩を眺めながら、燕山荘に引き返す。
燕山荘まで戻ってきた。
まだ早い時間で暇なので、石垣に腰掛け、ビールで祝杯を挙げる。
裏銀座や時々姿を見せる槍を眺めてまったり。
燕岳にも時々ガスがかかり、幻想的である。
暗くならないうちにと食事の準備をしていると、雨が降り出した。
テントの中での食事だ。
今日のメニューは、親子丼・サラダ・みそ汁である。
結構美味かったし、満腹だ。
雨がやんだので、外に出てみると、燕岳から雲が吹き出しているようで、美しい光景が見られた。
18時頃、燕山荘名物のアルペンホルンが鳴り響く。
小屋泊の人の食事タイムなのだろう。
夕暮れ時になると、再びガスが出てきて、この後雷雨となった。
たいした雨ではなかったが、テントの中でやることもなく、暗くなったと同時に眠りについた。
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お終い。